『人気者のふーちゃん』
ラッキースケベといえば、ふーちゃんのことを思い出す。
ふーちゃんは幼稚園~小学生時代を共に過ごした女友達だ。
ふーちゃんは、周囲からは少し変わった子だと言われていた。
普通の女の子がおままごとやらおやつ作りやらお人形遊びやらに興味を示す中、ふーちゃんはそういったことを一切やらなかった。
見かねた大人たちが女の子の輪の中にふーちゃんを入れてやってもすぐに離脱してしまう有様。
代わりにふーちゃんは自由帳と色鉛筆でゲームの絵ばっかり描いていた。
メインキャラクターやモンスターなんかはもちろん、ドラクエやFF、マリオRPGといったRPGではていねいなガイド付きの攻略マップまで描いていた。
画力は小学生相当だったと思うが、当時はインターネットなど全く普及していない平成初期。
無論、攻略本は一部のお金持ちの子しか買ってもらえないようなものだった。
よってふーちゃんの自由帳は男の子にものすごく人気だった。
当時は女の子がゲームをするなんておかしいという風潮がまだまだあったから一部の大人たちはこれに顔をしかめたりもしていたけれど、俺たちにとってふーちゃんは遊びの文化の中心にいる人物だったんだ。
『ふーちゃんのパンツ』
でも、ふーちゃんは普段は一人で黙々と作業をすることを好んだ。
あまり大人数で騒ぐことを楽しく思っていないようだったし、ふーちゃんの家に誰かが遊びに来ても長いこと一人で何かしているということもざらだった。
これに対し、今思えばふーちゃんのママもまたあまり良いように思っていなかったように思う。
だけれどもふーちゃんの家によく遊びに行っていた俺は、別に作業中のふーちゃんに話しかけたりするようなことはあまりしなかった。
ふーちゃんがスーパーファミコンのドラクエのマップを黙々と書き写している一方で、俺は別の友達とゲームボーイでポケモンの通信対戦をしていることなんて普通。
しかし、この距離感がふーちゃんにとっては良いようだった。
ふーちゃんのママも俺のカッチャマも「今時の子はあんなことしてて話さずにいて何が楽しいのか分からない」というようなことを言っていた気がするが、俺たちにとってはそれで良かったんだ。
ところで。
ふーちゃんは、他の女の子と違いオシャレにも興味がない子だった。
女の子らしい格好とか、仕草といったものに対しても同じ。
だから股を開いて座っちゃうだとか、パンツが見えちゃう状態で寝転がっているだとか、そういったことをしても本人は気にしなかった。
……ママたちはとても気にしていたけれど。
だから、別に見ようと思わなくてもおパンツを拝むくらいなら普通に見ることができた。
しかし、ある時……
『アソコが丸見え』
ある時、ふーちゃんがノーパンだったことがあった。
たぶん、キリの良いところまで作業を進めたくてトイレをガマンしてたら漏らしてしまったのだろう。
本人は男の子の前なのにそれでもあまり気にしていなかったが、というか本人は別に男子と女子の差というものを全然気にしていなかったが、その時はなんというか、小学2年生という幼い時期ながらも俺は何とも言い難い恥ずかしさのようなものを感じ、努めて見ないようにしていた。
……とはいえ、見えてしまっていたこともあったけれど。
しかし、その時は別にあまり興奮したりといったことはなかった。
だが、夜になってからが大変だったっけ。
あれを思い出すと何か気持ち良くなってしまう。
また見てみたいという気になってしまう。
もちろん、エッチなことだということはその年でも分かっていたことなのに。
でも、あのやわらかそうでぷにぷにしたアソコが忘れられない……
まあ結局、さすがに丸見えになっていたのはその時だけだったけれども……
ちなみにSNSの情報によれば、彼女は今はイラストレーターをやっているようだ。
描いているものは女の子や動物といった無難で一般的なものが多いが、ああいう幼少期がある子でも成長するものだなと思った。
そのうえ結婚までしているようだ……
中学以降の彼女に何があったのだろう。
ともあれ、幸せそうでちょっとうらやましいと思ってしまった。