あなたはラッキースケベという言葉をご存知でしょうか。
恋愛漫画の主人公や、物語のヒーローがなにかにつけて遭遇するちょっとえろうらやましいハプニング。
自分にもこんなラッキースケベがあったらいいのにと夢想する男性も数多いことでしょう。
今回お話するのは私が高校生の時に体験したちょっとエッチなハプニングのお話です。
その日はよく晴れた高校三年の夏の日のことでした。
今日も随分退屈だなと窓の外を眺めながら、黄昏ているようなそんな代り映えのしない一日を過ごしていました。
話の長い日本史の教師の話を話半分に聞きながら、今日の部活のことや昨日見たテレビのことなんかを考えながらぼーっとしていました。
私の教室は大体40人ほどの人数で少し手狭な教室に机と椅子がまるでおしこめられているかのように配置されているんです。
そんな狭い空間だからこそあのハプニングは起きたのかもしれません。
永遠に続くかとも思われた退屈な教師のありがたいお話を聞き終え、すでに沸き上がった眠気を抑えながら二時間目の後の休み時間を迎えると、私はふとのどが渇いたことに気づきました。
私の学校には自販機が設置されており市販のものと比べて二十円ほど安いため、ちょうどいいかと思いおもむろに立ち上がりました。
しかし、休み時間は15分間。
自販機後者の外の玄関口に設置されており、私の教室は4階にあります。
急いで買ってこなければろくに飲む暇もありません。
時間との勝負。
少しゲーム感覚で時間配分を考えると私は急いで教室を出ようと机と机の間の通路を小走りで進もうとしました。
しかし、そこで偶然後ろの席のAさんが前からやってきました。
トイレにでも行っていたのでしょうか。
とはいえ、休み時間にクラスメートとすれ違うことなど珍しいことではありません。
なにより時間がない今こんなところで時間をロスするわけにもいきません。
手短にお互いからだを半身にさせて通りぬけようとしました。
しかし、そこで柔らかく、そして暖かい感覚が伝わります。
もしや、これはと思いAさんの顔をのぞきこみました。
そしたら彼女は顔を真っ赤にしてこっちから目を背けているではありませんか。
私はこの感覚がAさんの尻の感覚なのだと実感しました。
Aさんは特段美人でもなければ可愛くもありません。
かといってブサイクかといわれるとそういうわけでもありません。
どこか素朴で少しだけ優しいそんなごくごく普通の女の子でした。
だからこそというべきなのでしょうか。
身近な女の子のお尻の柔らかさにとても興奮を覚えました。
結局珈琲を買うのは間に合いませんでしたがこの時ばかりは少しだけ神に感謝してもいいとさえ思えました。
この日、お互いにそれからこの話題を一切口にしませんでした。
班学習のときや雑談の時もいたってなにもなかったかのようにお互いふるまいました。
しかし、Aさんの頬にさした赤みが妙に生々しさを感じさせました。
ああ、Aさんもお尻を意識しているのか、明日も顔を赤くするのだろうか。
とても明日が楽しみでしょうがない、そんな気持ちにさせてくれるハプニングでした。
しかし、この話を当時つきあっていた彼女にしたところ平手で打たれ別れることになりました。
何故彼女にはお尻の良さがわからなかったのか今でも理解できません。