・初めてのヌードデッサン
高校で、念願の美術部に入りました。
中学で漫画家を目指してからというもの、本格的に絵を習いたいと思っていたんです。
最初のうちは、果物や食器などのデッサンでした。
そんなある日。
ヌードデッサンをする事になったのです。
とはいえ、女性や男性の裸なんて絵画などでは当たり前に描かれているため、さほど驚きもしませんでした。
それよりも、人物画を習えるという喜びでいっぱいだったのです。
そして、ヌードデッサンをする日。
女子達はソワソワしていました。
どうしたの?と聞くと、ヌードモデルとして来るのが男性だと言うのです。
てっきり、女性がくると思っていたので、この時にはかなり動揺しました。
やがて、大学生ぐらいの男性がガウン姿で入ってきました。
顔は、タイプではありませんでしたが、女子達は俳優の○○さんに似てるとはしゃいでいました。
・絵画とは違う
私の中で、男性器の知識は絵画でしかありませんでした。
父親と風呂に入った事もありませんでしたし、恋人もいませんでした。
初めて生で見た男性の性器は、かなり想像とは違いました。
アンダーヘアーのせいもありますが、さほど大きくはなかったんです。
おそらく、スポーツをしていた人なのでしょうが、かなり筋肉質で描くのがかなり難しかったんです。
と、一人の生徒が消しゴムを落としました。
消しゴムは、男性の足元まで転がってしまい、皆の視線がそこに集中しました。
落とした生徒は、慌てて駆け寄るとしゃがんで消しゴムを拾いました。
何事もなかったかのように、鉛筆を走らせる音が響きました。
・形が、変わった?
描きながら、ある事実に気が付きました。
形が、違うんです。
私は、男性の真ん前でデッサンしていたのですが明らかに性器の形が変わってるんです。
もしかして、これが勃起というものなのかと気がついた瞬間。
私は、激しく動揺してしまい鉛筆が止まってしまいました。
だって、まさかあんなに大きくなるなんて思わなかったんです。
だって、さっきまではアンダーヘアーに隠れていたのに、いきなり存在感をあらわにするなんて。
顔を上げれば、おそらく男性と目が合ってしまいます。
どんな顔をしていればいいのかわからず、私はチラッチラッと男性を盗み見ては描きました。
(え?また大きくなってる。先っぽ、どうなってるの?どう描けばいいの?)
私は、大混乱の中でなんとか絵は完成しました。
アソコの部分は、なんとなくごまかしました。
だって、勃起状態を描くわけにはいきませんから。
他の生徒も同じだったようです。
でも、これでやっと解放されると思ったのですが、顧問の先生が今度は様々な角度から描くようにと言ったんです。
この時、ほぼ全員が思いました。
(なんで、勃起している事に気づかないんだろう)
顧問の態度はそうとしか思えません。
普通なら、一度はガウンを着せてあげるべきです。
結局、モデルの男性も何も言えずそのまま続きがスタートしました。
私は、なんとか後ろを描こうとしたのですか、そこにはもう生徒がびっしり。
仕方なく、男性の横側を描いたのですが、性器はやはり勃起状態。
もう、恥ずかしくて恥ずかしくてたまりませんでした。
ですが、男性の性器がどのように変化するのかがリアルにわかったので、貴重な経験をしたと思っています。