・キッカケ
私が初めて自慰行為をしたのは、高校生の時でした。
友達の間でBL作品が流行っていて、私も読むようになったのです。
美しい男性キャラが激しくキスをしていたり、裸の身体をまさぐっていたりする姿に興奮して、キャーキャー友達と言い合っていました。
でも、過激な作品は見たことはなかったんです。
そんな時に、書店でかなりエッチそうな表紙のBL小説を購入しました。
挿し絵からして、全裸の男性同士が絡み合っていて、私はドキドキしました。
正直に言うと、これまでの私は男性同士がどこで交わるのか知らなかったんです。
でも、その作品でその場所を知り、更にはオナニーも知りました。
男性キャラが、好きな男性とのセックスを想像しながら、自分の性器を弄るシーンなのですが、小さく喘ぎながら達するシーンにゾクゾクしました。
これが、男性の自慰なのかと初めて知りました。
男性性器をあんな風に指で弄ったり、擦ったりしながら、あんな風に快楽を感じるのかと驚きました。
そのとき、腰の辺りがジンとしたんです。
え?これって、この感覚って何?って慌てました。
初めての感覚に焦りました。(もしかして、これが、快感ってもの?)
その時、主人公が自慰をしているシーンが浮かびました。
自慰って、どういう風にするのだろう。
それが、私が自慰に対して興味を持ったキッカケでした。
・未知の領域
自慰って、どういう風にするのだろう。
私は、かなり悩みました。
こんなこと、恥ずかしくて親や友達には相談できませんし、今のようなネット社会ではなかったので、ネットから知識を得ることもできないで、自慰の方法を知ることはできませんでした。
まさに、未知の領域だったのです。
授業では、一応男女がどのように子供を作るかは習います。
でも、決定的な場面っていうのは教えてくれませんよね。
少女漫画でも、キス以上のことはそうそうしません。
なので、私にとってセックスや自慰を教えてくれるのは、BLだったのです。
男性の性器を受け入れる時の苦痛と快楽や、繋がるということの満足感。
作品によっては、挿入するシーンもかなり具体的に描かれていて、私は暇さえあればBL作品を購入して読み耽っていました。
・コツがわからない
初めて自慰をした時、そのコツがわからず、気持ちいいとまでは言えませんでした。
間にそっと指を入れてみたのですが、その指をどうしたらいいのか全然わかりませんでした。
初めて自身の奥に触れてみると、柔らかい感触だけで、なんだか想像と違いました。
どうしたらいいのかわからなくて、私はBL作品を開きました。
そこには、両足を大きく広げて、股間を激しく擦る姿が描かれていました。
男性の場合は性器を擦るのですが、女性はどうすればいいのかわからず、とりあえずゆっくり中をこすってみました。
その時、指が内壁の一部にぶつかったのです。
「あっ」
ピクンッと身体が跳ね上がりました。
そして、驚くことにまるで自分の意思とは関係なく指の動きが早くなるんです。
私は、次第に身体中が熱くなるのを感じました。
私は、初めて濡れるという経験をしました。
でも、まだ不完全燃焼という感じでした。
その後は、どれだけ指を動かしてもダメなんです。
コツがわからず、悶々とする日が続きました。
どうしたら、エクスタシーを感じることができるのでしょう。
私は、途方にくれました。
・疑似体験
私は、更なる快楽を得るために色々と試行錯誤しました。
そんな時に手に入れたのが、BLのCDです。
内容は、Sっ気が強い男性が、初恋の男性を強引に抱くというものなのですが、とにかくエロかったです。
紆余曲折の末に結ばれた2人なのですが、台詞がすごく生々しくて、聞いているとまるで自分が抱かれているような気持ちになれました。
ドラマの最中に、台詞が入るんです。
たとえば、「もうそんなに濡れてるんだね」とか、「もっと指を激しく動かしてごらん」とか、ヘッドホンで聞いていたので、まるで本当に耳元で囁かれているような気持ちになりました。
私は、登場人物になりきって、台詞の通りに指を動かしました。
不思議なことに、台詞と指の動きがあった瞬間は普段では考えられないぐらいの快感を感じました。
やがて、ストーリーの中では男性同士のセックスシーンになりました。
激しい息づかいと、シーツを掴む音など、やけにリアルで、いつしか私は自分が抱かれているような感覚になっていきました。
セックスがどんなものかもまだ知らないのに、自分のアソコに男性性器が入れられ、激しく抜き挿しされているような感覚になっていったのです。
「あっ、あっ、ああっ」
私は、知らず声を出していました。
ビクンッビクンッと勝手にアソコが収縮するのを感じながら、指を濡らしていました。
初めてエクスタシーを感じたんです。
なんだか、自分がとってもエッチなことをしているのではないかと、急に不安にもなってきました。
ですが、初めて本格的な自慰をした感覚に、自分が大人になったことを意識したのです。
BLから自慰を教えてもらうのって、不思議な経験な気がしますが、今でも自慰をする時にはBLのCDを聴きながらしています。