・風俗店デビュー
30代になり、金銭的な問題から風俗店デビューしました。
ファッションヘルスというのが、大体どういうところなのかは知っていましたが、私にできるか不安でした。
だって、好きでもない男性のアソコを握って気持ちよくさせるなんて。
私には無理だと思ったんです。
ですが、いざやってみるとこれが案外楽しかったんです。
やたらと喘ぎ声が色っぽいおじさんや、Sっけが強くて俺様なくせに早漏だったりと。
ある意味、いろんな人間ドラマを感じられました。
最初こそ下手くそでしたが、だんだん上手くなってきて指名される事も増えてきました。
もしかして、私にはあっているのかも。
と、男性の性器をこする日々が続きました。
・元カレとの再会
ある日。
元カレが来店してきたんです。
二十歳になる前に別れたっきりでしたが、優しい風貌は変わりませんでした。
「俺、風俗って初めてなんですよ」
彼がソワソワしながら言います。
私は、バレないようにできるだけ顔はあげなかったんです。
「彼女さんとか、いないんですか?」
ドキドキしながら聞くと、彼は照れたように笑いました。
「彼女ならいます。でも、遠距離で・・・。ここなら抜いてくれるって聞いたんで」
デレデレしながら、彼が風俗に来た理由を言います。
私はちょっとムッとしましたが、そこは笑顔で乗り切りました。
「力、抜いてくださいね」
私は、彼の性器を久しぶりに握りました。
・指が覚えている
彼の性器を握り、私はゆっくりとこすっていきました。
彼が小さな声で喘ぎます。
不思議なものですが、指がちゃんと覚えてるんですよね。
彼のいいところや、弱いところを巧みに責めていきます。
特に、彼は裏筋がすごく弱いんです。
私が指でそこをなぞると、彼がビクビクッとしました。
「さ、さすがプロ。すっげぇテク」
すぐにイッた事が恥ずかしいのか、彼が早口で言います。
これは、彼の癖なんです。
都合が悪い時には早口になるんです。
私は、彼に気づかれないようにニッコリ笑うと更に指を動かしました。
「ひぁっ、ひいっ、ひいっ」
彼が、続けて射精しました。
かなり溜まっていたらしくて、私の顔は彼が噴き出した精液でベトベトになったんです。
「ご、ごめんっ」
「いいえ。気持ちよくなりましたか?」
「あ、はいっ。やっぱり、普通の女性とは違うなぁ」
彼に見破らては困るからと、私は殆ど顔は伏せたままでした。
自分でも驚いたのですが、指がちゃんと覚えてるんですよね。
彼が気持ちいいと思うところを、重点的に責めました。
彼は、足を大きく広げたまま何度も絶頂し私は満足しました。
私と交際していた頃だって、こんな風に気持ちよくさせてあげる事はできなかったんです。
私の前でエッチな姿を晒す彼が、たまらなく魅力的に見えたんです。
・私情は厳禁
結局、彼は私だとは気づきませんでした。
ただ、久しぶりに彼をイカせてあげられた事は私的には満足でした。
ほんの少しの時間だけでしたが、彼と交際していた頃に気持ちを戻す事ができました。
また来ないかなと思いましたが、もう彼が店を訪れる事はありませんでした。
ちょっと残念に思いましたが、これで良かったのだろうと思います。
風俗の仕事というのは、やはり私情を挟んではならないのだという事がよくわかりました。