『お絵描き少年だったあの日』
人生初のオナニーは小5の時だったかな。
記憶が正しければ、場所は自宅の自室の中だ。
俺は幼稚園に入る前から絵を描くのが大好きな子だった。
きっかけは本当にささいなことだったように思う。
確か、同い年の近所の女の子に絵を褒められたのが絵描き欲に火が点くきっかけだったっけか。
ともあれ、そんなこともあって俺は自室でも学校でも塾でもよく絵を描いていた。
ノートや教科書や自由帳や果ては連絡帳にまでラクガキをしてはよく怒られていたっけな。
そして、当時はある題材に夢中になっていた。
それは裸体だ。
『価値観の転換』
そのくらいの年になると性に興味も出てくるし、模写、デッサンが絵を描くための基礎力であるということも分かってくる。
だからインターネットで裸体の画像を検索してはそれを模写していた。
夏休みや冬休みなんかには1日に5枚以上模写した日もある。
ちょっと変わっているかもしれないが、セックスの画像や動画はあまり好きではなかったし、模写もほとんどすることはなかった。
当時の自分には何か生々しいというか、何というか。
シンプルに女性側が苦しんでいる(ように見える)のも多かったので、それもあまり好きになれなかった原因かもしれない。
逆に女性の裸体を自然の美の1つとして扱うような、そんな描き方を理想にしていたように思う。
例えて言うならきれいな花や石を華々しく見せるのと同じ、というか……。
だから夏の浜辺で微笑む裸の女性とか、春に咲き乱れる花々の中で、裸のままポーズを取る女性とか、そういった感じの絵を描いていた。
当時は自由帳に鉛筆(シャーペン)または色鉛筆くらいしか画材が無かったが、気に入ったものは秘蔵のファイルに入れて保管していたっけな。
だが、そんなお絵描き生活は唐突に終わりを迎えた。
ある、ひとつの動画がきっかけだった。
『リアリティある生活』
それは裸のお姉さんがごくごく普通の生活を送るといった感じのものだった。
裸であること以外は、特に特別なことはない。
メシ作って食べて、横になってテレビを見て、トイレに入ってお風呂に入り、寝るだけ。
ただ淡々と生活が続くだけのもので、一般人が見たらあまりエロいとは思えないだろうと思う。
だが、それが俺の何かに刺さった。
俺のムスコはいつのまにか大きくなっており、少し触ると何か透明でヌメヌメしたものが出てきた。
これがどういうことかは、今になってもよく分からない。
たぶん、天邪鬼だったせいかマンガやアニメによくあるような「分かりやすくエロい体型をした女性キャラクター」や「現実ではあり得ないような男側に都合の良すぎる展開」というような非現実的なものはあまり好きではなかったのだろうと思う。
もっとも、周りの子たちはそういったものが大好きだったし、今ではそういう「分かりやすさ」の無い作品は罪であるということも理解しているつもりだが。
とはいえ、油断するとわりと「創作物の強みを投げ捨てた、リアリティに寄ったフィクション」を描きたくなる。
もちろん本当にそうしてしまうことはない(はず)だが、もしかすると最も美しいものは人が意識的に作れるものではないのだろうと思う。
それはさておき、裸で料理するお姉さんはエロいよね!
肉じゃががなかなかおいしそうだったなぁ……