『私のスペック』
2年生。
学科が分かれており、進学に強い学科に在籍。
黒髪の三つ編みメガネをしていたが、先輩方や同級生に可愛いと言われていた。
コミュニケーション力はなく、話すだけでも精一杯で友達はいなかった。
『友人Aのスペック』
同じく2年生。
卒業後に就職する学科。
全国大会に出場しているサッカー部に所属している。
天然の茶髪かつ髪の毛は短めで、男性っぽい見た目の方が多いが小柄で可愛らしい。
人気者で目立つ存在。
『日常』
私はひそかに楽しみにしている時間がある。
理系は別の教室で受ける謎のルールがある。
近くに友人Aの過ごしている教室もあり、友人Aとすれ違うだけでも嬉しかった。
社交性の乏しかった私にとって友人Aの姿を一目見るだけでも癒しになっていたからだ。
友人Aの陽だまりのような雰囲気が好きだった。
茶髪が太陽に煌めき、普段の可愛らしい雰囲気から変わり真剣モードになる瞬間のギャップにやられていたから。
友人Aは1年生の時から違う学科にも関わらず、話してくれた。
時々雑談するくらいの仲だった。
『進展』
当時、進学を控えている状況であったから毎度試験があるなど勉強習慣は半強制的に身に付いていた。
でも、私は落ち零れであった。
教師の方々にもひどく心配されていたと思う。
いつものように及第点に達しなかったので再試を受けていた。
ふと、友人Aは教師に相談している声が耳に入った。
友人Aが私を好きだという話。
教師は進学先が決まってから告白した方が良いと答えていた。
大事な時期であり、出来の悪い私に負担を掛けないようにしてくれているのだろうと感じた。
再試を受けている私に気付いていない様子であった。
別の意味で頭がパニックになり、負担になった。
答案の問題も覚えていなく、あっけなく終わった。
『あれから』
友人Aに話しかけられると意識してしまう。
憧れで可愛い友人Aに好かれていること自体嬉しいし、なんなら告白して欲しいとまで思ってしまっていた。
ただ、頑張って会話するだけだった。
それだけしか出来なかった。
もっと開放的に話せたらいいのにと思った。
日頃の感謝の名目でバレンタインのお菓子を友人Aに手渡そうとした。
市販のチョコ菓子を持って近づいたのだ。
私にとっては無理難題でしかない。
でも、急でおかしくみえてしまったらどうしようと心配もした。
笑顔で受け取ってくれて、手を握って喜んできたのだ。
手を握られた事にも意識し、笑顔が眩しかった。
もう私的、眼福でしかない。
その日以来、話す回数は増えた友人Aが頑張ってくれているのだろうと感じた。
スキンシップも段々と増えていった。
抱きつかれる事も増えたのだ。
少し体が硬いがいい匂いのする友人Aを堪能した。
筋肉がバランスよく付いた友人Aが綺麗すぎる。
胸も当たる時があり、正直身体を動かそうにもドキドキしてしまっていた。
少しでもずれると当たってしまうのではないかと。
そんな事を思ってしまっている自分にも嫌悪感を覚え、自分からはいけなかった。
そのまま、何もなく卒業し大学へと進学してしまった。
『自分を変えたくて』
私は明るく話せるようになりたかった。
中身も活発になりたかった。
行動できない自分のせいで失恋チックになってしまったが、友人Aは変わらず憧れで再会を夢見ている。