『私のスペック』
中学3年生。
成績優秀で大人しい真面目な生徒の一人。
印象に残るかどうかは微妙。
天然であると口をそろえて言われた。
『あの人のスペック』
中学3年生。
やんちゃな卓球少年。
真面目というよりはズル賢い。
そこそこ成績は良い、過激派思想の持ち主。
『受験生』
受験生というものは鬼門である。
私は努力した。
希望する高校に進学するために。
希望する高校は進学校でそれなりの偏差値を誇る高校だ。
努力は必要不可欠の責務であろう。
私のルーティーンは誰もいない教室から始まる。
お金の無かった私は志望校の過去問を拝借し連日解いていた。
そんな私は陰に近い存在、覚えている生徒もいれば覚えていない生徒もいるそんな人である。
ただ、いつものようにルーティーンに熱を入れるとゆっくりと近づく人影が。
話しかけられ顔をあげるとあの人がいた。
私のルーティーンは崩れた音がした。
『迷惑』
あの人は迷惑な存在。
勉強を頑張り、普段は目立たないのに授業中に手を挙げるなど発言する私を出しゃばりだと日常的に罵る。
正確に言うと出しゃばっている訳ではない。
通知表の評価を上げるため日常的に態度を良くしているだけに過ぎないのである。
私はあの人が嫌いだった。
成績は私よりも下であったが頭の回るスピードは速い。
厄介な存在である。
そんなあの人が謝罪してきたのだ。
数々の非礼を詫びてきたのだ。
私は頭を下げるあの人を信じられなかった。
かくいう純粋だった私は疑うという文字がなく、そのまま笑って許してしまったのだ。
そして、あの人からとある提案をされた。
「胸を触らせてほしい」
きょとんとした。
理由を尋ねたら、そういった経験はなくしてみたいとの事だった。
他にも片方の手で輪っかを作り、もう片方の手でグーの字から人差し指を立て、抜き差しするなどの動作をされたが一向に意味が理解できなかった。
一生懸命説明しているあの人と、ちんぷんかんぷんな私がいる。
とんちんかんな返ししかしない私に、あの人は途方に暮れていた。
強行突破で私の了承を得ようとする。
意味の分からなかった私はOKした。
ブレザーを剥ぎブラウス越しに揉まれ不思議な感覚に苛まれた。
『邪魔』
今日もあの人がやってくる。
邪魔をする。
本を眺める私の体をひたすらに触られる。
いつしか息が乱れ、声が漏れそうになる事もしばしば続いた。
それから、断る理由が大して思いつかなかった私は、使用していない教室に招かれたのだ。
教室を移動させられ階段を下らせホームルームに遅刻するのではないかと念頭にあり、焦った私は一喝した。
「邪魔」
その一言を発し、場を凍らせた。
温厚であった私がいつもは言わないであろう言葉にビビったのかもしれない。
あの人はてんやわんやして反省したそぶりを見せた。
これで最後にするとかどうとか、だから服を脱げとかだった。
面倒だったので従った。
時間がない事を見越していたズル賢い彼は私の秘部に美容クリームらしきモノを塗った。
不思議な感覚が渦巻くのも束の間、かがまさられあの人の棒が侵入した。
何度も抜き差しされ痛かった。
痛みを声もろとも殺した。
とっとと終わって帰りたいその一言であった。
その日を境にあの人との関りはない。
懲りたのであろう。
制服を脱ぐのも着るのも大変だった。
災難だった。
何より、時間を奪ったあの人が憎い。
憎悪しかなかったのである。