・おこたで一緒に
中学2年の正月、例年通り祖父母の家に親戚一同が集まった。
リビングの宴会騒ぎを遠くに聞きながら、未成年組の僕とサオリは客間でコタツに入る。
学校の事や、流行り物の事なんかを話すうち、何の気なしに外に視線を向けると、雪が降り始めていた。
「寒いと思った」
「寒いの?」
サオリはひょいと立ち上がり、僕の隣りに足をねじ込んだ。
「え」
密着する女の子の脚に、僕の身体が強ばる。
「え?」
彼女は、やや驚いたように僕の顔を見る。
僕と彼女は、赤ん坊の頃からの付き合いで、3年前までこの座り方だった。
彼女はじっと僕の横顔を見て、それから妙に嬉しそうに笑った。
「思春期、来ちゃいました?」
・思春期ですから
「な!」
言い返す間もなく、彼女は僕に体重を預けて来た。
「嬉しいんだよ。ようやく男女を意識出来るぐらいには成長したんだなって」
「お前は僕の母親か」
「違うよ」
僕の軽いツッコミに、彼女は真顔で返した。
「私は従妹で、前のお母さんの子供だよ」
勿論知ってる。
だから僕は。
「7歳の時、私が本当の親戚じゃないって言ったら、『ぼくと結婚したら本当になるじゃん』って。あれ私、超嬉しかったんだけどさ」
彼女が僕の顔をぐいと自分の方に向けさせる。
「そういう取り返しの付かない事を言った自覚、あります?」
僕は無言で彼女の唇に自分の唇を押し当てる。
長い間そのまま触れ続け、そして離した。
「ずっと好きだったよ。気付けよ」
「触れてくれなくなったら、寂しいよ?」
彼女が全体重を預けて来る。
僕は支えきれずに仰向けで倒れた。
「ちゃんと結婚出来る年になるまで、待ってたんだから」
「それはもっと上だろ」
「そういう意味じゃないって、分かるでしょ」
抱き合った僕と彼女は、狭いコタツから這い出す。
・気持ち良い方が良いじゃない?
「出す、ね」
彼女の手が、仰向けになった僕のズボンのベルトを外し、チャックを下ろす。
「んぅ」
僅かに触れる彼女の手との摩擦で、僕は声を洩らす。
「えへへ」
彼女は露わになった僕のものを両手で撫で上げる。
その感触に、身体全体がビクビクと震える。
「気持ち良い?」
「何かで……調べたの?」
「ネットだよ」
「……エッチだよね、お前」
何とか主導権を取ろうと、軽口を叩いてみる。
「女の子ってエッチだよ。精液を搾り取らなきゃいけないんだもん」
「せ!?」
「大声出さない、こんなとこ見つかったら大変だよ?」
彼女は自分のズボンをずらし、パンツを引き下げる。
まだ充分に毛の生えそろっていないそこを指で押し広げ、ゆっくりと僕の上に腰を下ろしていく。
熱いぬるぬるしたものにねじ込まれていく。
「痛く……ない、の?」
「オナニーで破っちゃった」
「マジで?」
「だって、初めての時は、気持ち良い方が良いじゃない?」
彼女は騎乗位のまま腰を動かし始めた。
快感が一気に押し寄せ射精感が高まる。
何とかこらえようとした時。
彼女がぐっと顔を近づけた。
「我慢しないで」
彼女の頭を抱き寄せ、彼女の口からはみ出た舌を吸いかけたところで、果てた。
「びくびくってしたぁ……」
彼女の声が鼻にかかった甘え声になる。
「もっと、もっとぉ」
彼女の腰がゆっくりと動かされる。
射精直後の僕の疼きに無理をさせない静かな動きだった。
僕達は繋がったまま上下を交代する。
彼女が上着を引き上げる。
小さいながら張りのある乳房が引っかかりながら現れ、揺れる。
僕は乳首に吸い付き、開いた右手で反対側の乳房を揉みしだく。
「やりたい事、やって。私で気持ちよくなって。ずっと……ずっと、待ってたんだからぁっ」
大きく震えと共に、二度目の射精が訪れ、奥底まで絞り出される感触と共に、僕のものはしぼんでいった。
・計算通り?
その日の事は、あっさりと親にバレた。
彼女自身が嬉しがって伝えたとの事だ。
7歳の時のプロポーズが親戚には周知されていたそうで、結婚をする事と職に就くまでは避妊する事を約束させられた他は、何も言われなかった。
結果に不満はないが、彼女にはもう少し2人の間の秘密みたいなものについては理解して貰いたいと思っている。