『癒しの魔法を使う少女』
俺が初めての自慰を経験したのは中学一年生の時だ。
あの頃は精通がまだ来ないことに少し焦りを感じていた。
保健の教科書によればそれは人によってタイミングが大きく違うので焦る必要はないらしいが、えっちなことをたくさん経験している奴の方がなんとなく偉いという風潮があったので、できるだけ早く精通くらいは経験したいと思い、牛乳をたくさん飲んだり、放課後にできるだけ走るようにしたりもしていた。
しかし、精通はそんな努力では起こってはくれない。
このくらいの年齢の子には「世の中には努力でどうにもならないこともあれば、間違った努力というものもある」という事実は難し過ぎた。
俺は新たに筋トレやスクワットも始めたが、そうしてもおちんちんではなく筋肉の方がほんのり成長するだけだった。
こんな俺を救ったのは、とあるゲームのキャラクターだ。
そのキャラクターはピンクの髪、白と赤の服、青い宝石の杖などが印象的なヒーラーの少女で、よく黄色い鳥と旅をしている。
服はローブタイプのものだし、胸やお尻は少女ということもあって大きくはないこともありとてもえっちな方向性のキャラクターだとは言えないのだが、俺はその少女とよくえっちなことをする妄想をしていた。
まあ、思春期の男子にとっての通過儀礼だ。
『その時は突然に』
俺は夜、布団に入るとすぐにその少女と妄想の中でいろいろなことをした。
舞台は決まって彼女の家。
癒しの魔法使いらしくポーションや本が並べられた棚があったり、魔導書や羽ペンのある机があったり、少女1人で使うには大きすぎる白いふかふかなベッドがあったりする。
そして俺と少女はベッドの上で裸の見せあいっこをしたり、股にあるものについてのお勉強をしたり、胸のマッサージをしたりする。
しかし、当時の俺には女性のお股が実際のところどうなっているのかは分からなかった。
今のように個人が気軽にインターネットを使えない時代にあっては、まともな手がかりは保健の教科書だけ。
そういうこともあってか、妄想の中の少女はパンツとブラジャーという格好をしていることも多かった。
これなら少年向けのマンガなどにも出てくるので、楽に想像することができた。
とはいえ年齢が年齢であるため、女性器ってどうなってるんだろう、性交ってどういうものなんだろうという疑問は膨らんでいくばかり。
そうするうちに俺と少女はセックスごっこをすることになった。
まずは手をつなぎ、その後にキス。
その次はパンツを脱ぎ、俺は膣というところにおちんちんを入れることにし……。
その時だった。
俺は勃起が止まらなくなっているおちんちんに違和感を感じた。
なんだかおしっことは違う何かが出てくるような……
それに震えるような気持ち良さも感じる……。
俺は無意識に、おちんちんを手でしごいていた。
するとその刺激が呼び水になり……。
『白くてぬるぬるしたもの』
……ドピュッ、ドピュッ、ピュッ。
おちんちんの先から白くてぬるぬるしたものが飛び出すと同時に、俺は今までに感じたことのないような快感を感じた。
……ピュッ、ピュッ。
おしっこではない液体がまだまだ出てくる。
俺はどうにかなりそうだった。
「これが精子ってものなんだね。初めて見た~」
妄想の中の少女は俺の精子を大量に浴び、それを物珍しそうに見ていた。
俺も彼女と同じように出てきた精子を手に取り、感触を確かめてみた……
なんだかゆるいスライムや卵の白身のようだ。
それにそれらとは違う、イカのようなツンとした匂いもする。
「ハァッ、ハァッ……」
初めての射精で疲れた俺はすぐにその場で横になり、しばらくぼーっとしていた。
その間、少女は俺を撫でたりして介抱してくれていた。
……なんだか、とても幸せな気分だ!
俺は満足し、そのまま目を閉じた。
大人になるって、こんなに気持ち良いものだったんだ!