『憧れの京都 安宿での初体験』
学生時代。
お金がないくせに、やたらどこかへ行きたくて仕方がなかったぼくは、よく貧乏旅行にチャレンジしていました。
北海道、金沢、伊豆半島‥‥。
アルバイトで貯めたお金をもとに、ケチケチ旅行を満喫するのが好きでした。
そんなあるとき、ぼくはどうしても京都へ行ってみたくて、鈍行列車だけを乗り継ぎながら、古都・京都へと赴きました。
とにかく安く仕上げようと思い、夜は駅裏にある素泊まりの旅館に連泊しました。
お金をかけないようにしながら、昼間はあちこち徒歩で歩きまわり、夜はコンビニのおにぎりを食べて過ごしました。
1泊目のこと。
ぼくがうらぶれた部屋でおにぎりを食べていると、部屋をまちがったのか、若い女性が入り込んできました。
「きゃっ、まちがえた」とかなんとか笑いながら、その女性は「あのー、いろいろ教えてもらっていいですか」といい、ぼくの部屋に居座りました。
「京都のことを教えてほしいんです」と彼女。
「いや、ぼく自身、まだ1日しか過ごしていないので、よくわからないんですよ」。
そうぼくは答えましたが、彼女ときたら「ああ、暑い」なんていいながら、スカートの裾を押し上げて、エロい肌を見せてきました。
むらっとするぼく。
「冷たいビールがあるの。一緒に飲みましょう」という誘いに応じて、ぼくは彼女と乾杯しました。
缶ビールを1本、2本と飲み進むうちに、彼女はだんだん大胆になってきました。
「ちょっとほんとに暑いから、ここのチャックを下げてもらえないかしら」といい、ぼくに背中を向けてくる彼女。
「えっ、ここですか」と戸惑いながら、ぼくが彼女のワンピースのチャックを下げると、エロい顔をのぞかせながら、突然「あたしとする?」と聞いてきました。
「えっ、そりゃ‥‥たしかに」と口ごもるぼくに抱きつくと、彼女は「して」といい、ぼくのおちんちんをまさぐり始めました。
「ああ、うそ」。
それからぼくは彼女と抱き合いました。
うらぶれた安宿でのせっくす。
ぼくにとっては、それが初めての体験になりました。
『3夜連続のどえっち体験』
次の日も、そのまた次の日も、じつに彼女は3夜連続でぼくの部屋を訪ねてきました。
学生時代の思い出の旅のはずが、なぜかどういうわけか、素性の知れぬ淫乱女とのどえっち旅行になってしまったのです。
ぼくは永遠に彼女とつながっていたくて、ひと晩の間に何度もせっくすをして、おちんちんの先が痛くなるほど。
何度となく射精をくり返しました。
3夜連続のどえっち体験に、ぼくの心は麻痺してしまいました。
もうこのまま大学をやめて、ここで彼女と暮らそうか。
そんなことまで本気で考えました。
3日目の夜。
ぼくは思いきって彼女に「結婚しよう」とプロポーズをしましたが、彼女の答えは「ノー」でした。
「わたしみたいな淫乱女と一緒にいたら、きっと不幸になる」というのが理由でした。
「そんなことはない」――愛している、愛していると叫び続けたぼくですが、彼女は遠い夢の中へと消えていきました。
大人になった今でも、ぼくはテレビで京都の町を見かけるたびに、彼女との初体験を思い出します。
彼女の白い肌。
エロい唇。
あえぎ声。
古都・京都では、そのすべてがぼくのものだったのです。