「出会い」
私と彼女は東京の大学で出会った。
それまでの私と言えば、地方から出てきた地味でオタク趣味のいわゆるモテないタイプの男だった。
もちろんそれまで彼女もいた事もない。
だから、彼女との出会いは今でもすごくよく覚えている。
きっかけは、大学の音楽サークルに入ろうとした時に同じタイミングで彼女も入部した事からだった。
彼女は背が小さく、小動物を思わせるような姿をしていて、読書と管弦楽とミュージカルをこよなく愛するお嬢様だった。
私も同じ趣味を持っていた事から、その日のうちに打ち解けた。
その時から、彼女の事ばかり考えるようになり、いわゆる一目惚れというやつだった。
「告白」
入部してからというもの、彼女とコミニケーションを取ろうとなんとか頑張った。
一緒に練習する、偶然を装って一緒に帰るなど今にして思えばよくやったなと思うが、とにかく接点を持とうとした。
そのかいがあってか、彼女との関係は親密となり、一緒にお気に入りのミュージカルに行けるまでになった。
その帰り、夜景が見える公園で告白した。
結果はOKだった。
「その日は突然に」
こうして恋人関係になった私達だったが、そこからはゆっくりだった。
手を繋ぐ、まではクリアしていたが、私は大学の寮、彼女は実家暮らしという事で、なかなかキス、セックスまでには行かなかった。
それに、彼女の真面目な性格上、性急すぎるのもな・・・と思って悶々とした日々を過ごした。
ある春先の事だった。
大学近くの公園でお花見しようという話になり、彼女とピクニックに行く事になった。
お互いに料理とお酒を持ち寄り、ブルーシートを敷いてお花見をした。
綺麗な桜に愛しの彼女、これはこれでいいかな・・・
と思っていた所に彼女が私の肩に寄りかかってきた。
見ると大分酔っ払っていた。
そして、私の首筋にキスをしてきた。
この時点で、私の理性は半分飛んだ。
もう半分の理性でなんとか早る欲望を抑えていたのだが、「私とするの・・・嫌?」と聞いてきたものだから、完全に理性は吹き飛んだ。
幸い、周りには私達以外は誰もいない。
私は、彼女の唇を奪うと彼女の舌を舐めるようにキスをした。
そして、着ていた服を焦らしながら脱がしていき、唇から首筋へ、そして彼女の小柄な胸へと舌を這わせた。
ブラの上からひとしきり舐めた後、ゆっくりとブラを外していき、小さな乳房の先を舐めた。
そして、彼女の秘部へ指を入れかき回した。
その間大きな声を出せない彼女は、小さく喘いでいた。
彼女の秘部が濡れたなと思った所で私も下を脱ぎ、興奮で膨れ上がったものを彼女の中に押し込んだ。
セックスのやり方なんて知らんかったし、その時の方法が正解だったかは分からない。
彼女を気遣う余裕もなかった。
ただ、本能で彼女の体を求めていた。
身体中を舐めまわし、突いて、私は一匹の獣になっていた。
気がついたら、肌寒くなってきていて夕方になっていた。
体の火照りも無くなっていて、気だるい感じが残っていた。
暗くなる前に撤退しようと、慌ててその場を片付け、私は彼女の自宅マンションまで送っていく事した。
その道中、私は彼女になぜあんな事をしたのかを尋ねた。
彼女は、一瞬うつむき、「だって、なかなか進展しなかったから・・・」と小さな声で言った。
聞く所によると、彼女自身、このままズルズルと関係を続けるのはどうかと思い、素面だと絶対できないから、お酒の力を借りて行動に出たという・・・。
だとしても、まさか外でとはな・・・
と思っていた所にまた彼女が爆弾の一言「今日、両親いないから、ウチ泊まっていく?」
私の中の狼が目を覚まし、二回戦に突入したのはいうまでもない。