「出会い」
あれは高校3年生時の卒業間近な時期のことでした。
みな就職先や進学先が内定し、互いの進路が決まった頃。
わたしは東京で就職先が内定し、田舎を離れることになっていました。
友人もほとんどなく過ごした高校時代でしたのでまさか卒業間近にあんなことが待っているとは夢にも思いませんでした。
休み時間や放課後、いつものように図書館で過ごしているとやたらと視線を感じるのです。
(気のせいだろう)
そう思って本を読んでいると、机の横に人の歩く姿が。
「あの・・・少しだけ話せない?」ととある女子に声をかけられました。
ショートカットのクールな感じの雰囲気な子で、一緒になったことはないけれど確かに同じ階にあるクラスの子でした。
「藤堂くん・・・だよね?」と僕の名前を呼ぶと、
「あのさ・・・ずっと前から気になってたんだ」などと言われます。
「東京、行っちゃうって聞いて。だから思い切って話しかけようかなって・・・」
恥ずかしそうに語る彼女。
黒髪で化粧気のない子でしたが美形な顔立ちでミステリアスな感じのする華奢な子。
異性慣れしていなかった私は「あ、ありがとう・・・」としか返せませんでした。
「まだしばらくここにいるの?」と聞かれ、「いや、もう帰ろうかな」と答えると、
「じゃ、今日、一緒に帰らない?」と言われました。
それで「ええ。いいですけど。同じ方角?」などと一緒に帰ることに。
帰り道、会話に困って趣味はなんですか?と聞くと、意外にも漫画が好きとのこと。
大好きなキャラクターに私が雰囲気的に似ているとのことでした。
正直、私は漫画やアニメに詳しくはなかったのですが、嬉しそうに語る異性の姿をみて、あわせてあげなきゃなのかなと思い、話に付き合っていると、毎日のように放課後に会う、LINEを交換する、学校が休みの日に彼女の読んでいる漫画の新刊を一緒に買いに行くなどとことは発展。
少しずつではありましたが仲良くなり、彼女の家に遊びに誘われるようになりました。
聞けば母子家庭で母親は昼と夜のパートを掛け持ちしているとのこと。
あまり裕福ではなさそうな古いアパートで、彼女と一緒に漫画原作のアニメとやらを一緒に見た後、彼女が飲み物を取ってくると出て行った際にそのパソコンを触らせてもらっていると妙なファイルを発見。
それがいわゆるエロビデオでした。
タイミングの悪いことに、彼女が戻って来て事態は急転。
お互い無言で気まずい時間が流れます。
「ご、ごめん!勝手に見ちゃって・・・」
「う、ううん。それは・・その・・」
エロビデオに映るのは、私と似たような人物が男優を務めるコスプレもののAV。
気づけば夜で
「そろそろ帰ろっかな」と帰り支度をしようとすると、「ごめんなさい。嫌いにならないで」と後ろから服を掴まれました。
そして「好きです。あなたのこと」などと言われます。
いろんなことに動揺したのか混乱した様子の彼女。
「こういうの興味ありませんか?」と誘われました。
「お母さん、朝まで帰ってこないから」と意味深なセリフ。
(あっ、誘われてるんだ、俺)と思った私は、断るわけにもいかず、
「俺も興味あるよ。〇〇さんのこと」と言いながら彼女に迫り、
「一緒にこういうこと、してみる?」と優しく言うと、
「うん」との返事。
彼女の体をそっと抱きしめ、勝手もわかりませんでしたがソフトにキス。
緊張しすぎてほとんど感触のないまま、彼女の胸に触れ、スカートからブラウスを出して、おなか側から下着の内側へと手を入れます。
その間、彼女はされるがままといった感じでした。
「ベットにいこうか?」と誘い、彼女の股間に手を入れます。
しかし、場所などがわからず戸惑っていると、彼女が自然とベットの上でM字開脚してくれました。
初めて見る異性の秘部。
透明な膜の中央に小さな穴があり、彼女の部屋にあったハンドクリームを借りて指に塗り、ゆっくりと挿入しました。
あえぎ声というものもなく、前後に出し入れするもあまり感触のない様子。
「痛くない?」と聞くと「う、うん」との返事が。
「どんな感じ」と聞けば、「な、なんか不思議な感じ」と言われてお互い困惑します。
十分にほぐれてきたところで「挿れてもいい」と聞き、挿入にいたりました。
正直、こんなものかと思いましたね。
それは彼女も同じだったようで、AVのような喘ぎ声などもなく終わりました。
それでも女性特有のなめらかで柔らかな体と繋がれたことは確かな幸福感を感じる出来事となりました。
お互い初めてでなんとも甘酸っぱい思い出でしたね。