22歳になるまで女性とまともに話をしたこともなければ、ふれたこともない大学生だった私が、Aさんに出会ったのは飲み会の席でした。
飲み会に行くのはあまり好きではないほうでしたが、まあ付き合いで、という感じで行ってみた夏のころです。
私がお店に到着したときにはもうすでに大勢集まっていました。
初対面の人が多かった中、大勢いるのに、なぜか一人だけ目に焼き付いてしまった女性がいました。
Aさんは私のことを笑顔で見つめ、初めまして、と挨拶してくれました。
女性に笑顔であいさつされるなど経験がなかったのと、Aさんの容姿があまりにも好みだったので、私は何も言えず、あ、どうも、くらいしか言えなかったのだと思います。
彼女はしきりに目を合わせてきます。
もうすでに飲んでいて酔っぱらっているのが分かりました。
「ねぇねぇ、どこの大学いってるの?」
「あ、その、B大学です。」
「え?私とおんなじじゃん。何学部なの?」
女性と話しなれてない私はたじたじになってしまいました。
すると彼女は
「あっ、この腕の傷どうしたの?」
私は小さいころから自傷癖があり、つまり簡単に言えば、その、リストカットをしていたんです。
「え?いや、これは」
「自分で切ったの??」
彼女は僕の腕に触れました。
女性に触れられることのなかった私は頭から雷が落ちたような衝撃を受けました。
「リストカットでしょ?」
「な、なんでわかったんですか?」
彼女は、ふふふ、と笑い、何も答えませんでした。
そして、ビールをもう一杯、と注文して
「名前まだ聞いてなかったね、何飲む?」
「あ、ウーロン茶で」
車で来てしまったので、飲めない、というより、そもそもお酒を飲むことができないから車で来たのでした。
そう彼女に話すと矢継ぎ早に質問が飛び出します。
そして、私の顔を上目遣いで見て、私はどこを見たらいいのかわからないくらい恥ずかしく緊張してしまいました。
その人とはメールの交換をして(当時はまだLINEなどはなかったので)飲み会は終わりました。
今度も来て、と誘われその日は帰りました。
二回目の飲み会は彼女の友人の家で開催されました。
彼女は前と同じくもう酔っています。
ぼくは小さく座り込んで、例によってウーロン茶を飲みます。
2時間くらい経った頃でしょうか、彼女が飲みすぎたので外を散歩したいな、といいました。
そして、僕の手をつかんで一緒に散歩行こうよ、と時計を見ると22時でした。
「飲みすぎちゃった。ねぇ、彼女いるの?」
歩きながら突然尋ねられました。
「いや、いないです」
「そうだよね、いたらこんな姿見られたら怒られちゃうもんね。」
彼女は私に腕組みをしてきました。
正直女性の体が私の体に接しているので、もうズボンの下が臨戦状態になってしまいました。
横に並んで一緒に歩くと、彼女の背がとても小さいことに気づきました。
彼女は立ち止まって、私の名前を呼びました、そして顔を近づけて抱き着いてきました。
私は完全に頭が真っ白になりました。
そのまま、こともあろうか、キスをしてしまいました。
「あーキスされちゃったー。ひどいー」嬉しそうに彼女は僕を見つめます。
「唇奪われちゃったんだからそれなりのお礼をしてもらわないとね」
飲み会が終わったのは夜中の1時でした。
彼女は私が飲んでいないことをいいことに、家まで送ってくれない?と尋ねました。
「家まで案内できるならのせてくよ」
「うん、だいじょうぶ、道は酔っぱらっててもわかる」
車に乗ってしばらく走ると、国道に出ました。
夜中なので、ほとんど車が走っていません。
「私ね、精神科の病院にかかったことあるの。だから腕の傷を見てリストカットってわかったんだ」
そんなことを言いながら半分寝ていました。
彼女半分眠そうに、ここを右に曲がって。
その角のアパートに駐車場があるから止めて。
いわれたとおりにして、さよならをしようと思いました。
最後にキスができればいいな、と思っていましたが、それはかないませんでした。
「ねぇ、もう夜遅いし、家に帰るのしんどいでしょ?泊ってっていいよ」
彼女はそう提案しました。
女性の家になど上がったことがなかったので、最初は拒否したものの、どうにでもなれ、という気持ちになり、誘いに乗りました。
彼女のアパートはワンルームの小さい間取りでした。
電気をつけても薄暗く、古いアパートでした。
彼女はベッドに横になり、「もう寝よ、明日仕事なんだ」
ぼくはどこに寝たらいいんだろう?と思っていたその時、彼女はベッドの隅のほうに行って
「ここ開けてあげるから寝よ」
もともと不眠症の私が女性の隣でおとなしく寝られるわけない、と思いましたが、もう体はベッドの中に入っていました。
本能で。
と、そのとき、彼女は私に思いっきり抱き着いて、「キスして」と言いました。
私は抱き返してキスをしました。
長い間唇を合わせていました。
私は彼女の体をそっと抱きしめ、胸を触ろうとしました。
「そこはだめ」と胸は触らせてもらえませんでした。
そしておもむろに、私の急所に触れ、「すごい、硬くなってる、真面目そうなのにエッチなんだね」と言いました。
私は彼女のスカートの中から触れようとしました。
液体で下着が濡れているのが分かりました。
「私ね、エッチ大好きなんだ」
そういうと彼女はパンツを脱ぎ、私のズボンを下ろし、これほど固くなったことのない私のあそこを口に含みました。
電気が走るような快感が訪れました。
口の中で私のものを味わった後、「大きいね、入るかなぁ」
そういうと私は彼女の上にかぶさるように寝て、そっと一つになろうとしました。
しかし、なかなか入りません。
彼女は私のあそこをもって、「こっち、この辺、そう、入れてみて」
するすると彼女の中に吸い込まれていく私は、彼女の聞いたことのない声を聞きました。
高い声で「ああっ!」こんな声出せるんだと思うほどの喘ぎ声をあげました。
私は彼女の奥まで入りました。
女性の中って意外と冷たいんだな、と思いました。私が熱くなりすぎているのか、彼女の体温が低いのか、とにかく、冷たく感じました。
痛がる様子もまったくなく、私は腰を動かしました。
今までに味わったことのない感触が私を絶頂まで迎え入れます。
「ごめん、出る」
「ああっ、出して、いいよ、出して」
私は力強く射精しました。
彼女は喘ぐのをやめて、
「すごく気持ちよかった。初めて?」
「うん、初めて」
「そっかー、やったね!初めての相手になれた。」
彼女とはもう今となっては疎遠になり、会うことすらかなわないし、どこで何をしているのかもわかりません。
ただ、誰かと結婚したということだけは耳にしました。
その時、誰にもわからないところで私は自然と泣いていました。