・初体験を迎えそうなピンチ
私が、初体験を迎えたのは、21歳の時でした。
それまで彼氏と交際はしたことがあるものの、恐怖心から身体の関係を持つことは避けていたんです。
ですが、成人式の時に友人の殆どが初体験を終えていたことを知って、なんだか急に初体験を迎えていないことに焦りを感じ始めたんです。
このまま年齢を重ねていくごとに、そういう気持ちになるのかと思うと、なんだか不安になってきたんです。
21歳の時に、合コンで知り合った男性と意気投合して、そのまま交際がスタートした時。
私は、彼が初体験の相手になるんだとぼんやり考えました。
ですが、その日は思ったよりも早くきたんです。
交際してから1か月後。
彼の部屋に遊びに行ったら、いきなり押し倒されて、キスをされたんです。
キスの気持ちよさにうっとりしていたら、彼の手が服を脱がし始めたんです。
軽く止めると、彼が不思議そうな顔をして、「まさか、初めてじゃないよね」と、言われて反射的に頷いてしまいました。
ですが、性的な知識が乏しい私は、それがバレるのが嫌で、その日は生理があるからと断りました。
・心の準備
私は、友人に相談をしました。
友人は、真剣な顔をして本当にその人で良いのかと聞いてきました。
初体験というものは、文字通り1度しか経験できないものです。
本当に、今の彼氏で後悔はないのかと聞かれ、私は悩みました。
確かに、早く経験をしたかったという気持ちもありました。
ですが、彼のことを好きだという気持ちも本当です。
合コンで意気投合して、なん度もデートをしているうちに、彼の人柄も知りましたし、いつも私のことを笑わせてくれます。
彼になら、私のすべてを預けても良いと思えたのです。
友人からは、初めて男性性器を受け入れる時は、かなり痛いから誤魔化すのは無理だと言われ、内心ドキドキしました。
ですが、多くの女性は通る道です。
私は、覚悟を決めました。
・初体験当日
彼との初体験当日。
私は、友人からのアドバイスにより、デリケートゾーンのお手入れは念入りにしました。
と、いうのも友人は男性性器を挿入された時に、下の毛が絡まってしまい、かなり痛くて、恥ずかしい思いをしたそうです。
そこで、初体験の日には、下の毛を剃ってから彼の家へと向かいました。
シャワーを浴びて、タオル1枚で出ると、先にシャワーを浴びていた彼が待っていました。
ベットに寝かされ、キスをされながら、胸や脇腹を愛撫され、自分でも思ってもいないような甘い声が出てしまいました。
彼が、耳元でコンドームつけるねと言われた時に、私はやっと避妊具の存在を思い出しました。
それまでは、失敗しないかどうかばかりを考えていて、避妊具の存在までは気が回らなかったのです。
彼が、テキパキと自分の性器にコンドームをつけるのを見ながら、とうとうこの時がきたんだと思い目を閉じました。
彼の指が、目的の場所に到達し、中をまさぐってきた時には、その異物感に声を上げそうになってしまいました。
そこをグッとこらえていると、彼の指がクッと中で曲がったんです。
その瞬間。腰がザワザワしてきて、経験したことのない気持ちよさに、彼の背中に回した指に力がこもりました。
「そろそろ、入れるよ?」
言われて頷けば、指なんかよりもずっと太いものが入ってきて、私は想像以上の痛みに声をあげてしまいました。
気のせいだったのかもしれませんが、まるでミリミリと、彼を受け入れているところから音がしているような気がして、正直、気持ちよさよりも、痛みの方を強く感じてしまいました。
・初体験の後に
最後は、殆ど泣いてしまい、気持ち良さはあまりなかったんです。
おまけに、シーツには血をつけてしまって、彼に初めてであることがバレてしまったと思い、恥ずかしくて仕方がありませんでした。
やっぱり、未経験であることは伝えた方が良いと、この時に思いました。
彼が大きく溜め息をついたので、てっきり呆れられたかと思ったら、彼が小さな声で謝ってくれました。
「ごめんな。初めてだったんだろ?」
聞かれて、私は素直に認めました。
怖くて、これまでセックスできなかったことや、年齢的に焦っていたこと、最初の時に恥ずかしくて、初めてと言えなかったこと。
彼は、小さく笑って、「俺が変な聞き方したから、ごめん」と言ってくれました。
それだけで、すごく心が軽くなりました。
それから、2人で笑いながら、キスをしました。
もし、この時に、彼から何で初めてだと言わなかったんだと怒られたり、ダサイとバカにされたら、私はもう2度と男性とはセックスをしなかったかもしれません。
初体験が嫌な思い出にならなかったのは、彼の思いやりがある言葉や態度だったと思います。
女性にとって、初体験は特別なものがあります。
年月がたっても、その日の緊張感や痛みは鮮明に残っているものです。
そして、初体験の男性というのは、ずっと忘れないものです。
今でも、新しい彼と初めての夜を迎える時には、初体験の時の彼を思い出している自分がいます。