・オナニーに目覚めた日
小4の頃、私は快感を知った。
どういうわけでそうなったか忘れてしまったが、とにかくタオルをがっちりしぼった形にしたものをマタにはさんで、寝そべったまま足をクロスして、ギュッギュッとにマタに力を入れると、力を入れるたびぐんぐんぐんと快感がおしよせて、最終的にオーガズムに達することを知ってしまったのだ…。
まだ私はこのことを「オナニー」とか「マスターベーション」とか知らず、そんなもの保健の授業でも習わなかったし、何が何だかわからないけど、とにかく気持ちがいいという理由でやっていた。
だけど、その何でかわからない快感に「羞恥心」があったのも事実で、私はその後も何回も何回も、部屋でひとりになったとき、マタにタオルをはさむオナニーをやっていたのだけど、廊下から家族が近づいてくる足音が聞こえると、マタに挟んでいたタオルをポーンと投げ、『私、何もしてませんよ?』といった具合に平静を装い、どうにかこうにかごまかしていた。
「あれ、なんでこんなところにタオルがあるんかね?」
と母がいぶかしげに思っていたこともあったが、どうにかバレずにその快感を楽しんでいた。
・日常的なオナニーへ…
そのマタの快感を覚えてから、私は何でもいいからマタに挟んで、5分くらいしてオーガズムに達することを楽しんでいた。
マタに挟むものは、布団の四つ端のところ、空き缶、服をまるめたもの…などと色んなものに派生していった。
ちなみに、着衣のままで、まだ当時はブルマを履いていたから、ブルマの上からそれらをはさんでオナニーをしていた。
生だと、まだ痛かった。
サイズはちょうど、その空き缶や小さくしたタオルくらいの、おさまりのいい大きさの物だ。
・マセガキの成長
小6にもなると、私はとってもマセガキになった。
『ギルガメッシュナイト』というちょっとエッチな深夜番組がとても流行ったころで、私はビデオデッキをタイマー録画にし、デッキの画面にタイマー表示がついていることが親にバレていないことを祈りつつ…とにかく毎週録画にいそしんでいた。
そして、思春期の子が誰でもするように、親が出かけている友達の家をねらってみんなで集合し、そのビデオを鑑賞していた。
男子はAVももう見始めていたから、男子からAVも借りてよく観ていた。
私の父親はよくエロ雑誌を買って読んでいたから、私はよくそれを父の寝室から盗み出し、オナニーのオカズにしていた。
母も父も、私がそういう性に目覚めてきていることを、どこか察知していたようだ。
姉は控えめでおとなしかったので、私は余計そういう怪しい行為が目立っていたと思う。
ということで私は親から「オマセさん」と変な称号を与えられてしまった…。
・オナニーにオカズを使うようになる
最初は「何でかわからないけど気持ちいい」と思ってやっていたオナニーなのだけど、そのうち、エッチなビデオや雑誌を見たら、イキやすいってことがわかってきた。
だから、自宅でも親にバレないようにギルガメの録画を流してオナニーをしたり、父親の雑誌を見ながらオナニーをしていた。
道具も、布や空き缶をはさむのではなく、自分の指を2本ほどはさんで、ギュッギュッとやるとイクこともわかった。
それからオナニーはもう、日常的にやるようになったと思う。
・母にオナニーがばれた日
ある日、私はまた和室のテーブルの下に足を伸ばして、オナニーをしていた。
そのときは、指ではなくて、タオルを挟んでいた。
夏だったので、こたつ布団で下半身が隠れていなかった。
ギュッギュッギュッとしめつけて、ああもうちょっとで快感に達する…というとき!
急に母が廊下からこちらに向かっていそいそと来る音が聞こえた。
『やばい!』
ととっさに思った私は快感直前から急いで覚醒し、いつものようにタオルをポーンとまた投げた。
が、それが運悪く、母がやってくるはずのドア方向に飛んでいき、さらに母が入ってくると同時に、母の右腕横あたりの壁に当たってずささささ…と畳に落ちてしまった…。
とうとう母に、このタオルと私の間に何が起きていたかが、ほぼ、推測するにたやすい理由だとバレてしまったのだ…。
シーーーン…
何か説明しようか、スルーするか、この不自然に丸まったタオルをどうしようか、色んな対処法が走馬灯のように頭を駆け巡る…。
だけど、どれも効果的ではない。
もはや有罪はほぼ確定なのだ。
「えーと、えーと…」
などとモゴモゴしているうちに、母はタオルをそっと拾う。
昔は「なんでこんなところに?」といぶかしげに拾われていたタオルだが、今は私のマタに5分以上挟まれていた直後で、人肌のぬくもりがあるはずだ。
沈黙を破ったのは、母の一言。
「あんた、チンツンしよんかね!」
チンツンって何?と一瞬思ったが、どうも母の中では『チンチンがツンツンする』という意味らしかった。
私にあるのはチンチンではないけど、とにかくそのチンツンだかマンツンだかがバレてしまったのだ…。
しかし、母は別段私をとがめることもなく、母も実は少しエロいところがある人だったので、なんとなく『ムフフ』といった表情で去っていった。
中学になり自分の部屋と、さらに自分用のテレビまで獲得した私は、ようやく、気兼ねなくこのチンツンを楽しむことができるようになった。
それ以来、厳重注意を払っているので、親にバレてはいない。
ちなみにこのチンツン方式のオナニーは、実は今でも私はやっている。
もうタオルは使わないけど、指でやっている。
おかげさまで『イクって何かわからない』という女子にありがちな悩みは、小4からコツコツとやってきたオナニーのおかげで、通らずに済んだ。