『親と喧嘩した日』
まだ自分が性と言うものを理解する前の話。
近所の優しいお姉さんの所によく遊びに行っていた自分はある日、お姉さんに明日は用事があるから来ちゃダメだよと言われた。
だが、その翌日に親と喧嘩してどうしてもお姉さんに会いたくなってしまった。
お姉さんは出かけていて会えないだろうと本当は分かっているのだが他に行く当てもなく、やさぐれた気分でお姉さんの家までやって来てしまう。
正面玄関は当然に鍵が掛かっており扉が開くことはない。
普段なら割と聞き分けの良い方なのだがその時はは心がささくれだっていたため、勝手に入ってはダメだと注意されていたお姉さんの家の裏手にある庭とそこに設置してある物置を探検してやろうと忍び込む。
言いつけを破る罪悪感からか何となく出来るだけ音をたてないように行動する。
すると裏手に近づく度に段々と声が聞こえ始める。
その声は目的の人物のモノだろうことは判ったのだが何やら様子がおかしい。
どこか苦しそうな、しかし何かを求めているような切ない声だった。
物陰から声のする場所を覗き見るとやはりお姉さんが居た。
だが彼女は一人ではなく、そこには自分も会ったことのある知り合いの兄ちゃんと一緒だった。
兄ちゃんがお姉さんの片方の脚を抱え上げるように二人は抱き合い見つめ合っていた。
兄ちゃんが腰を動かす度に先ほどから聞こえていた声がお姉さんの口から漏れる。
その溢れる吐息を塞ぐために貪るように口づけをする二人。
今までに見た事のない蕩け切ったお姉さんの表情と喘ぎ声に自分は目が離せなくなっていた。
二人の行為を覗いていると心臓の鼓動が早くなり頬が熱くなっているのを感じる。
一瞬、お姉さんと目が合った気がした。
お姉さんが自分に気が付いていたかは分からない。
だが、あれ程に会いたかった相手のはずなのに自分は衝動的にその場を逃げ出していた。
家に帰り親に何か言われていたが気にする余裕はなく、自分の布団に潜るしかなかった。
しかし、頭から布団を被り目を瞑ると先ほどの光景が瞼の裏に浮かび上がって来る。
頭の中で勝手にリピートされるその光景に自分の股間が痛い程に膨張していた。
自然と固くなったソレに手を伸ばし慰める。
今まで自分が見た事のない彼女の愛しい者へ向ける瞳。
周囲に響かないように噛み殺そうとしても零れる甘い吐息。
突かれる度に躍動する憧れの女性の姿。
段々と慰めている手の動きが早くなっている。
興奮と初めて感じる気持ちよさに手を止めることはできなかった。
そして込み上がって来るナニかを我慢できずに外に放出する結果となったのであった。
経験したことのない快感と脱力感で呆然とする。
少し、そのまま時間が経ったが次第にパンツの中の違和感に気づき気持ち悪さを感じて、どうにかしようと布団から起き出る。
汚してしまった下着をどうしようかと一人で戸惑っていると挙動不審になってる息子を見て察した親が何も言わずに風呂にぶち込み。
着替えを用意してくれた。
親の情けに感謝し喧嘩していたことを深く反省することにした。
それから、お姉さんに会うのが気まずく足が遠のいていたのだが、親の用事でお姉さんの家に届け物をすることになり、気乗りはしないが先の反省を活かすため引き受ける。
久しぶりに会ったお姉さんはいつも通りの笑顔を自分に向けて普段と変わらない慣れ親しんだ様子で自分を迎え入れてくれた。
その姿に内心ホッとしていたのだが、荷物を置いた後いきなりお姉さんに抱きしめられる。
お姉さんの柔らかい感触とやさしい匂い包まれ身動きが出来なくなる自分に、お姉さんは笑顔を向けている。
「君、悪い子だね~」
そう囁かれ自分の全身は色々な意味で硬くなったのであった。