・妹のおねだり
「えっちなこと、したい」まだ8歳の子供が言う言葉じゃない。
でも、兄である私は、そんな妹にそっとチュウをして、服を脱がせる。
・幼い頃の兄と妹
私には、五つ年上の姉と、一つ年下の妹がいた。
妹は内気の為か、元気で男勝りの姉とは合わず、幼い頃は同じく内気だった私と一緒にいることが多かった。
園児だった頃はよく”チュウ”をしていて、周囲からまたチューしてるよ、と微笑ましく見られるような兄妹だった。
私にとっては、他に遊ぶ相手がいないから仕方なく一緒にいたのだが、妹の方はやや違っていたようだった。
よく体調を崩し保育園を休みがちだった妹のそばにいるのは専ら私で、妹が園を休んでも両親は仕事へ行き、姉は外で遊び回って帰りが遅かった。
布団に包まる彼女のそばで漫画を読む兄が、彼女にとって一番近しい相手だったのだろう。
・妹の密かな楽しみ
妹が体調を崩す日は年々増え、私が小学校に通う頃になると、妹は家にいるか、短期的に入院するかのどちらかだった。
この頃から1階の部屋で妹が臥せっていても、私は2階の自分の部屋にいるようになって、彼女は孤立していた。
けして冷たい訳ではない。
家族全員妹を気遣っていたがずっとはそばには居れないのだった。
そんな中、孤独な妹は密かな楽しみを見出した。
自慰行為だ。
後に本人に聞いた話では、6歳で覚えて以来、毎日3回はしていたそうだ。
どうも家族はみんな気が付いていたようで、私自身、妹の部屋に入ったら妙に熱っぽい様子で、平気、何でもない、と珍しく強い口調で言われたのを覚えている。
・長期入院の前日
私が9歳、妹が8歳の時、妹の長期入院が決まった。
両親は妹は長く生きられないと医者に言われていたようで、本人も何となく自分の運命を悟っていたようだった。
入院前日、学校から帰りいつものように部屋で漫画を読んでいると、妹が私の部屋にやってきた。
初めてだったので驚いたが、とにかく部屋に招き入れた。
妹はどこかもじもじした様子で、辛抱強く話すのを待っていると、発した第一声が「えっちなこと、したい」だった。
・えっちなこと、した
ボソボソと、小さな声で妹は途切れ途切れに理由を説明したが、私にはほとんど理解できなかった。
死を意識しだした今、自慰のその先を体験したい、といったところだろう。
時々、「お父さんとお母さんが裸で、」「お兄ちゃん、ティッシュ、」といったのが聞き取れ、少し怖い気持ちになったが、私もその頃は性に興味を持ち、自慰も覚えていたので、「分かった」と承諾し、キスをして服を脱がせた。
妹の体は汗臭く、全く膨らみのない胸に乳首がツンと立っていた。
まずは指で乳首をいじくり、舌でペロペロと舐めたが、その先が分からない。
あとどうすればいいのだろうと考えていると、妹がここを触ってほしい、と股間を指さした。
そうか、男の子と同じように女の子も股間が気持ちいいんだな、と思い、小さな割れ目を指でなぞっていると、時折妹の体がビクンと跳ねる。
しかしさっきから何か変な臭いがする、と考えていると、妹が「舐めてほしい……」と言う。
股間の割れ目に顔を近づけると、生臭い、魚のような臭いがした。
顔を離してもう一度指で触ると、「舐めて…」と再度ねだられる。
覚悟を決めて顔を近づけ舐めると、やはり臭くてしょっぱかった。
舐めている内に「ぅ……ぅ……ぅ……」と妹が小さく声を上げ始める。
「気持ち良い?」と聞くと「うん……」と答えるので、何とか臭いに耐えて舐め続けた。
いい加減舌や首が痛くなってきた頃、「…ぅんっ……」と一際大きな反応があったので、顔を上げてみると、「ありがとう、お兄ちゃん……」と、妹が小さく笑った。
・その後
妹はその後、約2年をずっと病院で過ごし、衰弱して眠るようにして死んだ。
本来、私がしたことは例え同意があってもあまり褒められた行いではない。
けれど、見舞いに行って、一度だけ病室に二人だけになったとき、妹は「お兄ちゃん…」と何か言いかけ、少し笑ったから、兄に体をベロベロ舐められたことは彼女にとって嫌な思い出とはならなかった。
そういうことにしてほしい。
私は妹とのことがトラウマとなり、女性のアソコに顔を近づけることに、長い間抵抗を持つことになったのだから。