『真面目な会社員には裏がある』
「おい、もうそろそろ結婚とか考えてないのか?」
会社でいつものように仕事をしていると、上司が難しそうな顔をしながら話しかけてきた。
俺は30代前半の、至って真面目な会社員。
大学を卒業してから10年ほどずっと、この会社でシャカリキと働いている。
幸いなことにその仕事ぶりは周囲にも認められていたし、人間関係は全体的に良好だった。
今の上司や部下ともよくやれている。
とはいえ、上司の「もうそろそろ結婚しろ」という暗黙の要求にはちょっと困っていた。
会社としては結婚して家庭を持たせたいというのは分かる。
だが相手は自分には合わないとすぐに分かる人ばかり。
なぜなら……
『産卵プレイの魅力は……』
なぜなら、俺にはちょっと変わった性癖があるからだ。
間違っても女に多くを要求するだとか、女嫌いだとかそういう話ではない。
しかしセックスは1人でやるものではないから、互いのためにも性癖が合致した、あるいは性癖の相性が良い者同士でやる方が良いと考えている。
これはもちろん、普通の性癖を持つ人は面白くないとか、異常性癖を持つ人はダメだとかそういう話ではない。
むしろ何をもって普通とするか、どんな性癖を異常とするかなんて議論するだけ無駄なことだし、性にはもっと多様な形があって良いと思っている。
と少し脱線してしまったが、俺の性癖は「産卵プレイ」だ。
これは読んで字のごとく、まるで卵を産んでいるかのような行為をして興奮すること。
昔は認知度が低く、ゴルフボールやピンポン玉などで遊ぶことが多かったようだが幸いにも今は違う。
専用のグッズも売られるようになったし、ネットでもしばしば取り上げられるようになってきた。
産卵プレイの魅力は……
これは人によって様々だろうが、俺の場合は出産の疑似体験というのが一番近いだろうか。
また人間は本来は産卵することはないため、ファンタジックなエロさもある。
とはいえまだまだ開拓途上のプレイであるうえ、注意点も多い。
それに人口もまだまだ少ないだろう。
俺の場合はネット掲示板で出会った、その手のことが好きな女性と一緒にやっている。
だが一般的な女性を誘った場合、引かれることもあるかもしれないな。
それからおもちゃ選びやプレイのやり方にも注意だ。
産卵プレイのグッズというとアナルパールのようなものが人気のようだが、個人的にはアナルでやるのはあまりおすすめしない。
なぜなら不潔になりやすく、女性の方はそれで膀胱炎になったりすることもあるからだ。
また無茶な大きさをしていたり、突起があったりするものは危険。
おもちゃはペニスと同じくらいかペニスより少し小さいサイズで、すべりが良い、また引っ張るための持ち手があるものが良い。
持ち手があれば取れなくなって病院のお世話になるってこともないからな。
ちなみに俺は若い頃アナルに入ったピンポン玉が取れなくなって病院にマジで行ったことがある……
ありゃあ気まずかった。
自分でも驚くくらいに言葉が出て来なくて、まともに説明できなかったっけ。
ははは……
『準備するのも産むのもエロい!』
ともあれ。
俺はその夜、彼女と共に産卵プレイを楽しんだ。
場所はホテル。
時間は22時を回っていたかな。
平日なら明日の仕事に支障の出る時間帯だが、その時は金曜日だったので無問題。
それに宿泊プランだったから休憩と違い時間的な制約もなくのびのびと遊ぶことができた。
チェックインして、シャワーを浴びて、前戯をしてと……
この辺は普通のセックスと何も変わるところはないかな。
変わっているのはその後。
彼女のおまんこに、おちんちんではなく卵を挿入する。
彼女は慣れているので大きめなものを使っても大丈夫だが、ローションをたっぷりと使うことは大前提だ。
それからゆっくりと挿入すること。
産みの苦しみ(痛み)がエロくていいという人も中にはいるが、だいたいは気持ち良くなりたくてやってるわけだからな。
そして、これがえちいのなんの。
通常の挿入だと性器をまじまじと見ることなんて不可能だが、これだと卵がぬぷり、ぬぷりとおまんこの中に入っていく様子をじっくり観察することができる。
しかし本番はここから。
彼女がいきみ、卵が少しずつ彼女の中から顔を出し……
まさに生命の神秘である。
うごめくおまんこ。
その時の彼女の表情。
何もかもがたまらない。
そして……。
ポンッと生まれた卵に俺は射精した。
精液と愛液とにまみれた卵もまたエロくて仕方がない。
おまけに、彼女はそれをまるで母鳥のように暖めたんだ……
これはまさに愛そのものってもんかな。
そしてこの暖かさもまた産卵プレイの良さなのだ。