『幼少期』
俺は田舎でもなく都会でもないような場所に産まれた。
家はマンションで、物心ついた時からそこで生活していた。
幼稚園になると、急に同級生という存在を知った。
それまでは1人もいなかった友達という存在だが、その友達は幼なじみという存在にもなっていく。
正直幼稚園の頃の出会いは、ハッキリとは記憶に無く、気が付けば友達になっていたという感覚である。
俺のマンションには同級生が俺以外に4人いた。
その中に彼女はいた。
彼女の名前はあみだ。
しかも偶然名字が俺と同じだったということもあり、すぐに話したり、仲良くなって行った。
俺は昔から身体が小さかった。
幼稚園の頃の俺は、周りの同級生が最低でも身長100cm以上はあるのに対し、身長が92cmしか無かった。
ポケモンで言うと0.9m表記である。
そんな小さな俺は当然他の同級生達に舐められていて、嫌がらせをされる事もしばしばあった。
その度に、同じマンションの同級生達が助けてくれていた。
その中には女の子ながらあみもいた。
同級生ではあったが、あみは俺のお姉ちゃんのような存在だった。
弟のように俺の事を可愛がってくれて、それは幼稚園以降、小学校へと入学しても変わらなかった。
『小学校転校』
小学校へ入学してからも、同じマンションの同級生達とは常々一緒に行動していた。
しかし、小学校4年生の頃、俺は突然転校することになった。
隣町の小学校への転校であった為、場所的には今考えればそこまで離れていないのだが、当時の俺にとっては、もう同級生達とほぼほぼ会えないのではないかと言うぐらいの感覚だった。
小学生の頃の俺達は今のようにスマホも無く、友達と連絡を取るということが出来なかった為、本当に同級生と会うことは無くなって行った。
あみとも何年も会わなくなってしまった。
『高校生になって再会』
俺が小学校を転校してから、中学校へ進学しても、幼稚園時代からの同級生との付き合いは無かった。
しかし、中学を卒業し高校生へとなるタイミングで、俺達の時間は戻ってくる。
俺は小学校を転校したと言っても、隣町へと引っ越ししただけであった。
その為、幼稚園時代の同級生とも同じ高校に入学する可能性があり、案の定、俺は高校でかつて同じマンションに住んでいたの懐かしい1人の同級生と再会する。
しかし、そこにあみはいなかった。
俺はすぐに当時幼稚園・小学校低学年に一緒だった同級生にあみのことを質問していた。
どうやらあみは別の高校に進学したようだったが、あのマンションを引っ越すことも無く、同じ場所に住み続けているらしい。
そして、昔同じマンションに住んでいた友達を中心に、あみを含めた幼なじみ達と遊ぶことが決定した。
遊ぶ当日、地元の大型ショッピングモールに集まり、小学生ぶりにあみと再会した。
昔の面影を残しつつ、大人にもなっていたあみは、魅力的な女子高生へと成長していた。
そのまま俺たちは海へ行くことになった。
制服姿で砂浜にしゃがむあみ。
そこで俺は、ふとあみのパンツがチラッと見えてしまった。
幼稚園の頃にも見たことはあったはずだったが、その頃には無かった感情が俺を襲いかかる。
俺はあみのパンツに釘付けになっていた。
しかも、そこでとんでもない事実に気付くことになる。
あみの白いパンツの中央に、うっすらと黒い影が見えたのである。
「陰毛」が透けていたのだ。
昔には無かった概念が目の前に飛び込んで来た。
俺も大人になれば周りも大人になっていた。
たった数年とは言えど、数年経てば少女は大人になるということを実感した。
あみには、せめてオブラートな言葉をかければ良かったのだが、俺は思わず「毛!」と言ってしまった。
あみは顔を赤くしてしまったが、「もう毛も生えたもんね」と大人の余裕を見せつけてきた。
パンツ越しに見えた黒い影は、俺にとって青春の光に見えたのであった。