『同じクラスのひいちゃん』
初めての自慰は人より少し早めだったんじゃないかと思う。
あれは確か小学4年生の時のことだ。
その時のオカズはよく覚えている……
それは同じクラスのひいちゃん。
ひいちゃんはいつも女の子らしい服を着て、良い香りを漂わせていた。
そしてかわいらしい仕草をして、クラスの男子たちだけでなく教師たちをも魅了していた。
早い話がひいちゃんはクラスのマドンナであり、高嶺の花。
そんなひいちゃんと俺は想像の中で、何度も何度も致していた。
言い換えるならセックスについてはもう小1か小2の時に知っていたし、右手で息子をシコシコすることも小1の頃からやっていた。
なぜそんなことになっていたのかというと、それは家にあった分厚い百科事典の一部に、性や性行為、性病について説明しているところがあったからだ。
だがまだ幼かった俺のムスコからは、百科事典で見た「精液」は出ることはなかった。
……あの事件が起こるまでは。
『突然の裸』
客観的に見れば、それは大したことではないという人もいるかもしれない。
だが幼い俺にとっては、それはとんでもないことだった。
ある日、とんでもなくヤンチャな悪ガキが、手下に命じてひいちゃんのズボンをずり下ろしたのだ。
その結果ズボンどころかパンツまでつかんでしまったらしく、俺を含むクラスのみんなの目の前で、ひいちゃんはなんと下半身を裸にされてしまった。
漫画やゲームなどではこういったことが起こると女子はすぐに絶叫し、こんなことをした男にビンタの1つでも食らわせるものだが、現実は真逆だった。
時間が凍ったのだ。
それはもう、下手な時間停止モノのAVとは比べられないものだった。
裸にされたひいちゃんも、ズボンをずり下した実行犯も、それを命じた悪ガキも、周りのクラスメイトも、誰もかもが止まった。
もちろん、俺もだ。
そして凍った時間の中、俺はひいちゃんのお股の様子を自然と目に焼き付けていた。
またひいちゃんのはいていたパンツには黄色いシミがあったが、不思議とその時は何も思わなかった。
ひいちゃんのことをエロい目で見ているというよりは、ただただ感情もなく記録に徹しているというか、事件の資料を見ているような気分というか、動物の局部を見ている気分というか、なんかそんな感じだ。
だが凍った時間が徐々に動き出し、視界に少しずつ色が戻り、周りの女子たちがうめき声や泣き声に近い、あまり大きくない声をあげるにつれ、俺の感情が戻ってきた。
そして勃起が始まった。
いけないと分かっていても、勃起は止まらなかった。
俺は持っていた下敷きでなんとかそれをごまかしていたが、もしかするとクラスメイトの何人かにはバレていたかもしれない。
『突然の成熟』
その夜俺は激しくシコりながら、当たり前のように想像上のひいちゃんと致した。
泣いているひいちゃんを慰めながら、互いの身体を重ねるのだ。
……今思えば欲望に正直すぎる妄想である。
だけれども男の子なのだから仕方がない。
男の子は女の子のお股があったら思わず目がそちらに向いてしまうものだし、女の子が裸になったらそれを見ないようにするのは一種の修行だ。
ましてや女の子のおまんこにおちんちんを入れられるチャンスがあるのなら、それを無駄にしたくはないのが男の子というものである。
なんならひいちゃんのおまんこに小さくなって入って、ひいちゃんのあたたかいお腹の中で丸くなって眠りたいと思うくらいであった。
今でいう胎内回帰というやつである。
えっ、病気だって?
男のそういう想像力ってのはなあ、社会を維持する源になるんだよいろんな意味で!
とまあそれはさておき。
そんな妄想をしながらシコっていると、息子の先から何やら今までに出たことがない、サラサラしたものが出た。
大人の精液よりはサラサラしているが、おしっこよりはヌルヌルなのでおしっこではないと分かるあの感触。
突然本の中でしか見たことのないものでふとんを濡らしてしまい、かなり戸惑ってしまった時のあの感覚。
今思えば懐かしいものだ……
初々しいというのは、実に良いものである。
そして暗い中慌てて静かに毛布やふとんを洗おうと頑張ったのも良い思い出だ。
ちなみに、ひいちゃんの下半身を裸にした奴とひいちゃんはその後色々あって転校した。
実行犯はともかく、ひいちゃんまで転校したことや黒幕が俺関係ないですよといった顔をしつつ卒業まで学校に我が物顔で居座っていたのは気に喰わなかったが、現実とは往々にしてこういうものである。
……だなんて大人には飲み込むことはできても、子供にはそれは無理だったので、当時の俺は一時期不安定になって何かとキレ散らかしていた。
勇気を持って告白しておけば、いや連絡先だけでも聞いておけば……
しかし、過去は変えられるものではない。
とはいえ、こういう経験も時が経てば懐かしいものになってしまうので、時薬というものは魔法だなと俺は思う。