中学生になると、部活動が始まります。
大体が運動部と帰宅部の2択になり、1割程が帰宅部になっていきます。
帰宅部と言っても、学校の名目上そんな部活はありません。
大体が部員人数が少なく、大会にも参加しない、やっているかいないかわからない部活が、自然と帰宅部となっていくのです。
そして、みんなが部活を始めれば、好きなことをやっているので、楽しくて何時間でも集中できる所が魅力の一つです。
教室に帰ってくる生徒もほとんどいません。
そして、授業以外で使わないパソコン教室は、一番奥の部屋ということもあり、誰も出入りすることのない静かな時間を送っていました。
その中学校に通っていたのは、中学3年生の翔と幼馴染の莉々でした。
家は隣同士で、家族ぐるみで仲がいい関係でした。
お互いに兄妹も多く、いつも家族が居て、2人になることはほとんどありませんでした。
また、最近は家に帰れば高校受験に向けて、勉強をしなさい!と両親の言葉も気になり始めていました。
そんなある日、莉々が授業で使っていたUSBメモリーをなくしてしまいました。カバンや机の中を探しても見つからず、困っていました。
放課後一人でパソコン教室に行くことの怖かったので、翔にお願いをして、一緒に探してもらうことにしました。
放課後のパソコン教室は、ひんやりしていて、とても静か。
夕方になると日が入りにくいので、ちょっとうす暗くなっていました。
二人は莉々が使っていたパソコンの近くを探しました。
テーブルの上にはなく、台の下も探すことにしました。
莉々がしゃがみ込み、奥まで見てみると、沢山のコードの間に、莉々のUSBメモリーを見つけたのでした。
莉々が一生懸命手を伸ばして取ろうとしましたが、届きません。
莉々は、「翔くん、ちょっときてくれる?」と翔を呼びました。
言われるがまま、莉々がいる台の下を覗こうとすると、莉々のお尻だけが見えていました。
莉々が手を伸ばす度にスカートが揺れ、太ももがチラチラして見えました。
「翔くん?」と莉々の声に、ハッとして、翔も台の下に潜り込みました。
「ねぇねぇ、見える?」莉々の言葉にさらにドキッとする翔。
それに気が付かず「あの奥にあったんだけど、取れるかな?」と莉々の指さす方向に、USBメモリーが見えました。
翔は身を乗り出しながら長い手を伸ばして、USBメモリーを取りました。
「取れたぞ!」と振り返ると、莉々の顔がすぐそこにありました。
四つん這いになって「ありがとう!」とお礼を言う笑顔の下の、ブラウスの隙間から莉々の胸がチラチラ見えていました。
翔はもう我慢ができなくなりました。
そのまま莉々の顔を引き寄せ、キスをしました。
莉々は驚くも、翔を受け入れました。
「翔くん。」甘い声に、さらに気持ちが止まらなくなります。
見つめ合う二人。いつもはない二人だけの時間が始まりました。
翔の手が、莉々の太ももを優しく撫でます。
莉々はびくっとしましたが、翔を優しく抱きしめました。
たまに遠くで聞こえる友達の声。
ドキドキしながらも、気持ちは止められませんでした。
それから、二人は放課後パソコン教室で待ち合わせが日課になりました。
甘い甘~い、2人の部活動が始まったのです。