・ヤンキーの兄
僕には2つ上の兄貴がいました。
普段から仲が良く、一緒に遊んで可愛がってもらっていました。
高校に入ると兄貴はグレてしまい、悪さをして何度も両親が学校に呼び出されていました。
僕が高校1年生の時に兄が3年生だったので僕は同級生から「お前の兄ちゃんおっかねぇな」とよく言われていました。
そんな兄が僕は誇りでした。
・兄の部屋に潜入
周りから見ればおっかない兄貴でしたが、僕にとっては優しい自慢の兄貴でした。
ある夏休みの日、思春期の僕はムラムラしてしまい何かネタはないかと考えました。
今と違い、当時は携帯などでエロ動画を観れる時代ではありませんでした。
持っていたエロ本は見飽きたしリビングにあるテレビでは母がテレビを観ていたためAVを観ることができず。
兄がいないことを確認して兄の部屋に潜入しました。
実は兄の部屋に行くのは初めてではありません。
以前も何かいいネタはないか何度か探したことはありましたが見つけることが出来ませんでした。
今回もまんべんなく探します。
兄はモテていましたのでたくさんの女性とのプリクラが机の引き出しから出てきました。
その奥を何気なく触ってみると、明らかに意図的に隠すために置かれているであろう場所に本が置いてありました。
手に取ってみるとついに発見しました。
・兄の意外な癖
テンションマックスで本を開きます。
この時点で僕のアソコは最高潮。
1枚1枚ページをめくりますが、なかなか僕の理想のページが見つかりません。
すでにパンツは下ろしています。
とうとう一冊読み終わりました。
あれっ、これ女性同士の行為しか載っていない、もう一回見てみよう。
パラパラパラッやっぱり僕が気に入るようなページはなく、女性同士のプレイの写真ばかり。
そうです兄貴はレズのプレイが好みだったのです。
何だか嫌なものを見てしまった。
学校ではあんなに悪そうにしていて下級生からも恐れられて僕には優しい自慢の兄がまさかのレズの本を読んでいるなんて。
その本は元の場所に置いてまた別のとこを探してみるとまたもエロ本がありました。
テンションが上がりページをめくってみると、またレズ、レズ、レズ。
どうやら兄貴の性癖は本物らしいです。
・兄のエロ本に射精
兄の性癖、レズのエロ本に戸惑い、気分は落ち込みましたが思春期の僕はやはり気持ちと下半身の高揚を抑えることが出来ずに兄のエロ本を拝借して一人でコトをすすめました。
気持ちよくなりいよいよ発射。
しかしその時にティッシュが周りにないことに気付きました。
ヤバいと思い、手を止めましたが我慢出来ずに発射。
兄のエロ本にかかってしまいました。
どうしようと焦り、ティッシュを捜しあたふたしていると玄関の物音が。
慌てて本を元の位置に片付けて部屋を出ます。
・気まずい兄弟
その日はソワソワして眠れませんでした。
兄貴にバレてないかなぁ。
エロ本は大丈夫だったかなぁと心配でした。
兄貴のいない隙きに見に行こうと思いますがなかなかタイミングが合いません。
数日経っても兄貴から何か言われることはありませんでした。
何となく気まずい雰囲気でお互い接していました。
それから数日後また兄貴が家にいないタイミングがあり再び潜入して兄のエロ本を覗いてみました。
すると、カッピカピになってページがめくれなくなっていました。
ヤバイ。
どうしよう。
バレたら殺される、いや、もう気付いてて何も言えないのかな、色々な葛藤が生まれます。
当時13歳の僕は謎の正義感から兄貴に正直に打ち明けようと思い兄貴の部屋で土下座をして謝りました。
・兄弟の絆
兄貴のエロ本を勝手に隠れてみたこと、射精してしまいめくれなくなってしまったページが出来たこと。
を素直に泣きながら謝りました。
顔を上げて兄貴を見ると学校では見せないしどろもどろな表情で一言。
「その本、美術の授業で使うみたいで・・・」僕は初めて兄貴が嘘をついている姿をみました。
中学1年の僕でも兄貴が嘘をついていることが分かり、兄に対して申し訳ない気持ちになりました。
「3年生はスゴイね」と謎の返しを咄嗟にして兄貴の部屋を出ました。
あれから20年ほど経ちますが未だにその話はしません。
ちなみに数日後、また兄の部屋に入ってエロ本が入っていた引き出しに手を伸ばすとまた何か本が。
あれっまだ懲りずに持っているんだと本を出してみると、美術の教科書が不自然に入っていました。
学校ではヤンキーで恐れられている兄貴ですがこんな姑息なアリバイを作ろうとしたと思うと悲しい気持ちになりました。
あれから20年。
兄貴は結婚して子どももいます。
もしあの時、僕がエロ本を汚してしまわなければ兄貴は更にレズに夢中になって今の奥さんに出会うことはなかったのかもと密かに考えています。
兄弟でも性癖は違うんだなぁと学びました。
お互いあの時の話はしませんがいつか時が来たらしっかりと謝りたいと思います。
別に性癖に関してはつべこべ言う筋合いはありませんが、カッコいい自慢の兄貴がレズのエロ本を何冊も隠し持っていたことは当時の僕にとっては一番の衝撃でした。