『早熟な10代』
私は、中学時代からアルバイトをしていました。
家庭が貧しかったこともあって欲しい物だけでなく学校で必要な物も買えないことも多かったからです。
もちろん、学校はアルバイト禁止なので内緒で働いていました。
はじめは、ファーストフード店やファミレス、喫茶店。
高校生になってからは夜のお店でホステスをはじめました。
特に高校生はお金がいくらあっても困らないし、あればあるほど嬉しいので高給なホステスは持ってこいで勤めて二年が経った頃「体験入店一万円」のチラシを持った知人からの声掛けに心が揺れました。
『体験入店一万円』
そのアルバイトのチラシは、時々見かけるもので地元に昔からあるお店なのに何の噂も聞かないという不思議な店なんです。
フロアレディ募集でもなく「スタッフ募集」と書かれているので飲み屋ではないのかもしれないという噂もありました。
しかし、18歳以上の女性限定なので普通の夜のお店なのではないか?というのが周りの見解。
よほどの美人が揃っていたり、高給なお店というのも考えられました。
周りに体験入店をした人もいないので、誰か代表で行ってみるという話にもなりましたが結局皆尻込みしてしまう。
当時のホステスの日給が7,000円なので、不安に勝つには一万円は安かったともいえます。
年齢を誤魔化して体験入店するにしても全員が高校生なので、まずは下見に行ってみることに。
繁華街からは少し外れた寂れた飲み屋街の一角にその店舗はありました。
二階建てで、一階には小さな看板に店名だけ。
スナックやパブの表記はなく、入口も簡素な造りでした。
思っていた店とは違うし、何となく妙な雰囲気で私たちの周りでは体験入店の話は出なくなりました。
『君なら月に100万円あげる』
高校を卒業してすぐに知り合った女の子の姉が、新しいパソコン欲しさに体験入店一万円のお店に面接に行った時の話を聞きました。
ミスコンでグランプリになるくらいの美貌の彼女に、店長は「働いてくれたら固定で100万円あげる」と言われたそう。
顔で給料が確約されるなら「自分はいくらか?」という話題で盛り上がり、久しぶりに行ってみようかな?という気持ちに。
『興味&話題つくり』
好奇心旺盛で、男性の愉しみについても知りたがりな私は体験入店の申し込みをしてみました。
お店からはいつでもいいと言われたので暇そうな水曜日に行ってみることに。
面接らしい面接もなく、洋服も着替える必要もなくすぐにお店に立つことに。
薄暗い店内は、ボックス席がたくさんあって所々カーテンが閉まっているもののスケスケだし足元も丸見え。
普通の飲み屋でないことはすぐに察しました。
お客さんが複数人で来てもマンツーマンで接客するタイプで、持たされるトレーには自分用の小さいグラスとおしぼり、コンドーム。
『処女のフリ』
手や口でサービスするのは理解できても、どうすれば楽にできるか考えた結果処女のフリをすることに。
案の定「処女なんです」というと自発的にオナニーしてくれる人もいたのでお詫びにおっぱい触れせてあげたり。
パンツの中に手を入れさせてあげたり、耳元で吐息をかけたりするだけで満足してもらえた。
3人接客したところで店長から呼ばれ「経験者?働かない?」と言われたけれど一万円もらってとんずらです。
いい勉強になりましたが、働こうとは思えませんでした。