私の恋愛遍歴
私が初エッチを体験したのは23歳の時でした。
一般的にはとても遅い方です。
それまでに一度だけ高校生の時に付き合ったことがありました。
しかしその人とは手も繋がずに自然消滅してしまったのです。
それ以降恋愛には年々奥手になり、大学生活でも一度も男性とお付き合いすることなく終わってしまいました。
何度か交際を申し込まれたことはありましたが、恋愛すると色々面倒くさいんだろうなという気持ちが勝り、「とりあえず付き合ってみるか。」と付き合うことについて軽く考えられませんでした。
社会人になって訪れた出会い
新入社員として働き始めて1年が過ぎた頃にその出会いはありました。
私は貿易事務をしていたのですが、どんどん任される仕事が増え始めていました。
そのうち生産部の方と一緒に港にある倉庫へ通関された商品の確認へ行くことも担うようになりました。
いつも同行するのは生産部の管理部長の元なのですが、その日は部長の都合がつかず代理の方と一緒に行くことになりました。
その方は海外赴任から戻ったばかりの方で、初めて顔を合わせました。
私より5歳年上で眼鏡をかけ、いかにも「真面目」な印象でした。
私が挨拶をしてもボソッとした声で「どうも。」としか言わなかったので、恐縮してしまいました。
車で向かう時も一言も話しません。私は早く帰りたくてたまりませんでした。
しかし倉庫についてから彼のキビキビした動きに圧倒されてしまいました。
私はまだ商品管理の仕事を任されて日が浅かったのでオロオロしてしまうのですが、それをカバーするように彼は率先してやり取りをしていました。
そして、商品管理のやり方などをとても分かりやすく教えてくれました。
その時彼の携帯が鳴り、彼が電話に出たのは良いのですが、そのやりとりが全て英語だったのです。
流暢な話し方に私は思わず見とれてしまいました。
この時から私は彼のことが気になり始めていました。
彼からの告白で付き合うことに
それからというもの、倉庫へは彼とペアを組まされるようになりました。
正直とても嬉しくてワクワクしていました。
彼のいる生産部の方とは倉庫へ一緒に行く以外ほとんど接点がありません。
生産部は研究職でもあるので建物も別館になります。
ですから倉庫へ行く日がとても待ち遠しく感じていました。
男性に対してこのように積極的な気持ちが湧いてくるのは初めてと言ってもいいくらいでした。
彼のことをそれとなく同期に話したりしても、彼のことを知っている人はほとんどいませんでした。
はじめは無言ばかり続いていた車内も、私が彼に話しかけるようになってから、彼もボソボソと答えてくれるようになりました。
無愛想ながらもしっかり受け答えしてくれる様を見て、更に彼のことが知りたくなるのでした。
そんなある日、倉庫でトラブルがあり落ち着いた頃にはすっかり日が暮れていました。
そのまま家に直帰することになり、初めてのトラブルに私は緊張しっ放しで疲れていたのか、車でついウトウトしてしまったのです。
はっと目をさますと、彼が「やっと起きた。」と笑いました。
笑った顔を初めて見たので、寝ぼけながらそれを伝えると彼は恥ずかしそうにしていました。
いつの間にか自宅の最寄り駅に着いており、私は寝てしまったことを謝罪しました。
彼はまた笑って、いつものように私にボソッと何かを言いました。
付き合っている人はいるのか。
いないのなら付き合ってくれませんか、寝顔を見ていたら気持ちに嘘がつけなくなりましたと。
私はすぐさまOKし、めでたく付き合うことになったのです。
初体験は彼の家で
こんなに人を好きになったことはないと言い切れるほど、私は彼のことが日に日に好きになっていきました。
彼には長年付き合っていた彼女がいたけれど、海外赴任が決まってフラれてしまったとのことでした。
それを聞いたらモヤモヤした気持ちが心の中に渦巻き、これがヤキモチなのかと知りました。
ただ私には悩みがありました。
この歳になってもまだ初体験をしたことがないことです。
人によっては引かれるだろうと思うと、彼になかなか言い出せませんでした。
付き合って3ヶ月ほど経つとそのようなシチュエーションになることもしばしばありました。
しかしその度に私がもう少し待って欲しいと断っていたのです。
半年近くが経ち、彼の家に遊びに行った時彼に言われました。
なぜ拒むのか、怖いのかと。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいになり、やっと本当のことを話しました。
フラれる覚悟だったので少し泣いていたと思います。
しかし彼の顔には拍子抜けしたような、安堵の表情を浮かべていました。
そして優しく抱きしめてくれました。
言ってくれてありがとう、安心したと彼に言われ私は彼の胸に顔を押し付けました。
彼が離れようとしたので私がそれを阻止すると、彼は優しく頭を撫でながらベッドに私を寝かせました。
心臓が飛び出しそうなほど緊張しましたが、彼の穏やかな表情に大丈夫だと思えました。
痛みはありましたし、出血もしましたが、それ以上に幸せで何も考えられませんでした。
初エッチの相手が彼で良かったと心の底から思いました。