『さゆりちゃんのスケジュール』
あれは俺が高2のガキだった頃の話だったか。
俺が修学旅行で行った先は四国だった。
確か愛媛やら徳島やら高知やら色々回った気がするがよく覚えていない。
なんせ俺は有難い仏様だの伝統ある神社だのそういったモンには興味がない。
代わりに興味があったことといえば女の子。
ま、このくらいの男子というのは性欲のモンスターであることがほとんどだ。
俺のいたグループの奴らも考えはほとんど同じだった。
違ったことと言えば女の子の好みと、フェチといえる部位くらいのもんだ。
さて、俺には当時さゆりちゃんという恋人がいた。
同じクラスの女子で、ショートヘアで快活な性格のいわゆる「陽キャ」というやつだった。
そんなだから言うまでもなく修学旅行のようなイベントは大好き!
昼に張り切っていたのはもちろんのことだが、夜も教師の奴らには見せられないスケジュールでいっぱいのようだった。
そして、その中の一つに……
『厳しすぎる夜間の監視』
その中の一つに、貝合わせという奴があった。
これはまあ、女同士でヤることだ。
無論、教師に見つかったら即アウト。
ヤる場所と時間は慎重に選ばなくてはならない。
ところが、我らが教師サマもバカではなかった。
特にエグかったのが生徒指導部の秋田で、この40代の熱血系男教師は一晩中恐るべきペースで巡回を行った。
誰がトイレに出て、誰が帰っていないかというのもある程度把握済みで、トイレでいかがわしいことをしようもんなら即御用。
無論、部屋でもちゃんと寝てるかどうかまるで警察か何かのようにチェックしてくるため結局のところ、1日目の夜はさゆりちゃんや俺を含め、誰も何もすることができなかった。
ちなみに捕まった生徒はだいたい2、30人くらいはいたと思う。
別にこんな熱心に時間外労働しなくてもいいのに……
『新しい計画』
しかし、2日目に部活の用事で秋田が途中で帰ることになったことで状況が変わった。
あるいは教師たちの疲れもあっただろう。
2泊3日の行程だったが、2日目の夜は教師たちの監視の目がかなりゆるんだ。
とはいえそれでも1人1人いるかどうかチェックをしたり、トイレの個室を1つ1つチェックしたりしていたようで、十数人くらいの生徒が大目玉を喰らっていた気がする。
一方、元々のスケジュールを台無しにされたさゆりちゃんと俺は新たな計画を立てていた。
それはあえて手早く寝て、早く起きることで教師たちの監視の目をかいくぐろうという作戦だ。
就寝後の22~24時くらいまでは教師たちも警戒するだろうが、早朝の4~5時にもなればさすがに疲れも出ているだろう、と。
そして、その考え方はドンピシャだった。
早朝4時にもなると教師も生徒も多くが疲れ切ってしまっている状態。
しかし、俺たちは念には念を入れて非常階段を通り、ホテル1Fのちょっと奥まったトイレの個室に2人で入った。
入ったのは男子トイレだったが、誰もいない完全な貸し切り状態だった。
本当はシャワーやベッドが欲しいところだが、ぜいたくは言っていられない。
それにリスクは低いとはいえスリリングな状況だったこともあり、俺たちは興奮していた。
手早くゴムを取り出し、さゆりちゃんを濡らし、そしてビンビンになった息子を挿入し、音や声を押し殺しながら10分くらいは交わった。
静かな環境であるがゆえ大きく感じる彼女の呼吸音と、陰部が立てる音。
恋と性欲でドクン、ドクンと脈打つ心臓と性器。
はっきり言って観光ガイドさんや僧侶の方々の有難い解説よりこっちの方がずっとずっと印象的だった。
そして強く抱き合いながら、二人で静かに気持ち良く果てた。
なお、その後のこともきちんと計画しており、まずは俺が一人で部屋のあるフロアまでの安全確認をしつつ戻り、それから彼女が安全に戻るという算段だった。
もし安全に戻れたらケータイに連絡、定刻になっても連絡がなかったら長く待機といった塩梅だ。
幸いにも、俺たち2人は安全に戻ることができ、またこのことを他に察知されるようなこともなかった。
とはいえ……こういう時くらい教師たちは大目に見てくれてもいいのになぁと思わないこともない。
まあ、校内風紀のこともあるしそれも無理か。
でも教師の裏をかくってのは面白いもんだし、いつの時代もそれは変わらないんだろうな。