『伝説のワル、I村』
I県の、とある海沿いにある中学校。
そこには、かつて恐ろしいワルがいました。
彼の名はI村。
奴は手下を引き連れ、気に入らない下級生をボコボコにしたり、気に入った女の子に無理矢理えっちなことをさせたりしていました。
今の世ならきっとその様子がSNSで拡散するなどして問題になるでしょうね。
ところが、当時はSNSどころかむしろケータイを持っている生徒の方が珍しい時代。
それにスマホというものはなく、基本的には今でいうガラケーでした。
とはいえ、学校側がI村のことを問題視していなかったわけではありません。
それに、程度の差こそあれワルというものはどのクラスにもいたものです。
しかし、I村は規格外でした。
やっただろと教師が問い詰めれば全部否定。
無理矢理やったことについて聞き出そうとしてもウソしか言わない。
あげくの果てに校長や教頭の前でタメ口を吐きまくってしまう……
無論、いくら説教されたところで反省することなどありませんでした。
『逃亡者、K田』
こんな有様だったので、I村の名は全校生徒が知っていました。
また、I村と同じクラスでI村の息がかかっていない生徒は「エスパー」と呼ばれ、全校生徒から重宝されました。
なぜならI村の動きや興味関心が分かれば、トラブルを回避するのに大きく役立つからです。
逆に言えば「エスパー」と繋がりがなく、「エスパー」と繋がりのあるグループに所属してもいない、今でいう陰キャタイプの子は大変でした。
無論、I村のターゲットになるのはたいていそういった子。
人脈がないからボコった所であまり騒ぎにならないし、そもそも人数が少ないので抵抗されたところで大したこともないですし、何よりタイミング悪く奴の前に現れますからね。
とはいえ、やられる方だって人間。
いつまでも好き勝手され続けるほどバカではありません。
陰キャの子たちは彼らなりの方法で身を守ることもよくありました。
たいていの場合それは変わっていて、時にかなり過激になることもありましたがね……
ちなみにそういう層だった私と同じクラスの女子、K田はI村に目を付けられている時、よく「プールの女子トイレに潜伏する」という今思えばなかなかヤバい手段で身を守っていました。
そもそもプールに侵入するのでさえ一苦労なのに、よりにもよって古いし臭いし虫も出まくるトイレにいるだなんてI村たちもさすがに考えなかったようで、I村たちは私たちがいなくなるとよく校外の路地を探していました。
プール近くにフェンスが壊れている場所があるのですが、そこから逃げたのだろうと。
『こっそりと見ていた私』
幸いだったのは、I村の興味は長く続くことはあまりなかったということです。
オモチャが逃げてしばらく見つからないとなれば、奴は次のオモチャを探しに出かけました。
そして、それを見つけることは奴にとっては簡単なことでした。
年季の浅い陰キャが避難所にしそうな場所というのは奴らもちゃんと学習していましたからね。
とはいえ、K田と私とで暗いトイレに数十分以上閉じ込められるという事態が何度もあると、本当にトイレがしたくなるということも何度かありました。
もちろん、女子トイレの個室の中ですからそうすること自体は簡単です。
そして、そうする時にはそうしない方が壁の方を向いて、やる方は音を絶対に立てないようにしてやりました。
水を流すだなんて絶対にご法度です。
ところが……中学生といえば女の子の身体に興味が出てくる年頃ですし、暗いのでちょっとくらい見てもバレへんやろと思ってしまった時があったんですよね。
そしてちょっと彼女の方に目をやると……暗いながらも見えてしまったんですよ。
彼女の割れ目と、そこから出るおしっこが。
暗くて良く見えなかったのが残念でしたが、状況が状況だけによく分かってしまったんですよね。
彼女の息遣いとか、出来るだけ出さないようにしていても出てしまう、おしっこと便器がぶつかり合う音とかが……
そうなると私のムスコは自然と勃起していたのですが、幸いにもK田に気づかれることはありませんでした。
とはいえ、その後それが私のズリネタになっていたのはK田にも内緒のお話。
なお、K田とはつり橋効果のせいか自然と付き合うこととなり、後に普通にヤったりもしました。
しかし、高校に入ってからは彼女の放尿シーンを見ることはなかったですね……