『プールでパンツを脱がされた僕をかばってくれたのは』
小学生の頃。
プールの中でパンツを脱がせるという遊びが流行った。
わいわいがやがや。
僕もおもしろがって友達のパンツを追いかけまわしていたが、あるときクラスのみんながグルになって、僕のパンツに狙いを定めてきた。
プールの中を逃げまどう僕。
それでも男子連中の連携には勝てなくて、僕は水中でパンツをはぎとられ、しかも最悪なことに、そのパンツをプールの外に捨てられてしまった。
もはや万事休す。
僕はみんなに謝って許してもらおうと思ったが、誰も助けてくれず、情けないことに僕は素っ裸でパンツを探しに行ったのだった。
まだいじめなんていう問題がクローズアップされていなかった時代。
僕はみんなの笑いものになってしまったわけだが、唯一救いだったのは、クラスの女子が同情し、僕のことをかばってくれたことだった。
そのときばかりは女子が女神に見えた。
とりわけ女子の中ではボス格(ちょっとスケバン風)のB子が、矢面に立って僕のことをかばってくれたのはうれしかった。
そんなできごとがきっかけで「男子のことは、もう絶対に信じない!」と思った僕は、女子にかくまってもらい、プール後は女子の更衣室を使わせてもらうことになった。
『初えっちは女子の更衣室!?』
女子の更衣室では「さっきは大変だったわね」「あんまりよねー」といい、僕にやさしくしてくれる女子たち。
そんな彼女らの言葉に甘えていると、スケバン風のB子が「こっちへきて」といい、僕のことを呼び出した。
「えっ、なに!?」とB子のもとへ行ってみると、「一緒に着替えよう」とかなんとかいっている。
「いや、まさか」と僕が断ると、B子は「さっきは助けてやったのに、なにさ」とふてくされ、今にも暴れだしそうな雰囲気。
僕は「うん、わかったから」とB子に寄り添い、手狭な更衣室の中で着替えを始めた。
これはあとでわかったことだが、もともとB子は僕に気があったらしく、いきなり僕の体に抱きついてきた。
僕が「えっ、えー」と戸惑う中、B子は僕の唇を求めてきた。
いくらなんでも、こんな場所で初体験をするわけにはいかない。
見た目はちょっとこわおもてのB子だったが、ふわふわした肌は、やはり女子のものだった。
『B子とのえっちな恋が始まる』
それからというもの、僕とB子はつき合うことになった。
僕が男子にからかわれているとき、いつもB子は助け船を出してくれた。
ていうか、「何やってんだよー。お前ら許さねえからな!!」とかなんとかどやしつけ、半ば脅しにかかっているだけだったが、僕にとってはまさにB子こそがヒロインだったのである。
今だからこそ話せるけど、女子の更衣室でB子と一緒に着替えたあの日。
実をいうと、僕らは最後までは行っていない。
お互いの体の一部を触り合っただけなんだよね、ほんとうは‥‥。