『見せつける姉と覗く妹』
「っあーっくそ! イライラする!」
今日の出来事を思い出して溢れ出す憤りに感情のコントロールが奪われ、不必要に扉を強く開閉したり物に八つ当たりするが自身の手が痛いだけの結果に終わる。
「なぁにがホントに好きなヒトができたから別れてくれーだ。ふざけんな!」
彼の身勝手な理由で振られ、惨めな自分を許せない。
自室に引き籠って湧き出る怒りをクッションにぶつけていた。
「はぁ~」
情けない今の自分に嫌気がさして深い溜息を吐き出す。
そうすれば少し落ち着きを取り戻した。
すると思考も回り始める。
今、家には自分以外に誰もいない。
彼氏とのことでいつもよりも早く家に帰ったため両親も妹もいない筈だ。
「便利な肉おもちゃもいなくなっちゃったしな」
別れた男のことを鼻を鳴らし吐き捨てることにした。
気分転換に自分を慰めることに決め、引き出しの奥に隠すようにしまっておいたおもちゃを久ぶりに取り出す。
下半身の衣服を全部を脱ぎ捨てベットに足を開いて腰掛け、個包装されている潤滑剤をおもちゃの先端に垂らして塗り付ける。
残りの潤滑剤も自分のワレメに塗りたくる。
濡れてほぐれてきたらおもちゃの丸い先端をワレメに押し付ける。
「っんぅ」
おもちゃがワレメを押しのけて奥へと挿っていく感覚につい声が漏れた。
ゆっくりと挿入を繰り返すように動かすとおもちゃの引っかかり部分がワレメのナカの壁をやさしく引っ掻く。
その感触が快感に変わるのに時間は掛からない。
「んあ、うん」
自分で慰めているのに、全然違うハズの感触なのに彼氏との行為を思い出していた。
おもちゃでは体温も感じないし硬さも違うのに躰を重ね合わせたことが鮮明に蘇る。
覆いかぶさられた時の圧力、唇を重ねた時の味、鼻孔をくすぐる男の臭い、確かに満たされていた時のこと。
おもちゃを動かす手が無意識に激しくなっていく。
元カレとの想像の中で達すると共に背筋をゾクゾクとした感覚が走り、身体が自然とッビクンと痙攣した。
「はぁはぁ、ふぅ」
一息ついたおかげで妄想の世界から現実へと目を向けた。
「へ?」
少し開いたドアの隙間から覗く視線と目が合った。
その幼さが残る瞳は妹のものだ。
私の痴態から目が離せないようで、しかし、何をしているのかを理解できていない様子でもある。
こちらが気付いていることに気付いていないのか妹は逃げないで覗きを続けている。
そんな妹にいたずら心が沸き上がる。
ドアの方へ向けて見せつけるように腰を浮かす。
下の口で咥えたままのおもちゃを今までよりも激しく動かして、ワザと扉の向こうに聞こえるように喘ぐ。
限界に達し、ワレメから噴きあがった液体がシーツを濡らした。
私には人に見られて興奮する癖があったのかと興奮が冷めていない頭にそんな考えが過った。
一人遊びに熱中していて妹がいつの間にドアを閉めていなくなっていることに気が付かなかった。
一通り自分を慰め終わって後始末のためにシーツを洗濯機に放り込むとさすがに落ち着きを取り戻す。
後で妹が親に報告したら説教されそうだな、冷えた頭でそんな想像をする。
まあ、説教されたらある程度こういうことをしたほうが健康的だと言い返そうと開き直った。
だが、その後に親から説教されることは無かった。
そして、妹は私を見つけると気まずそう視線を反らして逃げていくようになった。
普段生意気な妹のそんな様子が何やら可笑しくて、また、遊んでやろうと決めたのだった。