毎日毎日、職場と自宅を往復するだけの生活にでした。
休日となれば、高齢の両親の介護の為に食品の買い出しや気分転換を兼ねたドライブで費し、プライベートな楽しみも趣味も無くて。
このままでは彼氏どころか、友人すら居なくなってしまうのでは無いか?
そんな孤独感に苛まれ、繰り返すルーティンワークに張り合いも見出せず、私はつい、出来心から出会い系サイトに登録してみました。
そこからは、見事なまでに転落して行くのですが、皆さんにはこんな話信じられますか?
『初めての出会い。』
最初は、プロフィール欄を閲覧しながらスマホの画面をスクロールするだけでした。
写真が載っていましたが、本当に自分の写真を載せてるとは思えなくて。
私も自信が無いので、画像は飼い猫の写真を載せていました。
そんな感じで3日程経過したある日、連絡があったとサイトから通知が来ました。
開くと、猫好きな方の挨拶文と、良ければ話したいとの内容の文章が綴られていました。
プロフィール欄を閲覧すると、可愛い飼い猫を抱いた男性の写真が載っていました。
うっかり猫好きな方なら話がしたいなと、私も返信してしまったのです。
『始めまして。』
何を書いたらいいのかわからなかったので、軽く挨拶文と自己紹介を書いて返信をしました。
このサイトは、女性から通信するには無料だったのですが、男性から通信するにはポイントを支払わないといけないシステムだったのです。
余程の興味が無ければ、これ以上返信は無いだろうと思って特に期待もせずにいました。
ところが、その後その方から熱心な返信が来たのです。
サクラでは無いだろうと確信したので、是非私の連絡先を知りたいと。
メールアドレスなどは削除の対象になるので、ラインのI.D.を添付されていました。
私の方は検索すれば閲覧出来る状態なわけですから、ちょっと試しにラインのI.D.を検索してみようと軽い気持ちで登録してしまったのです。
ラインのアイコンは、サイトに載っていた飼い猫と同じ写真が使われていましたので、あの写真は本人なんだなとわかりました。
そのまま、ラインの通知を送って、お互いの友達登録を済ませました。
『会いたいです。』
2週間ほど、お互いの空き時間にラインを送り続けました。
朝の出がけにスタンプ。
昼休みにお弁当の写メ。
夜には無料通話。
そんな感じで少しずつお互いの話しをしながら過ごす内に、猫好きなわけですから打ち解けるのも早かった気がします。
彼の方から、直接会って話がしたいなと告げられました。
しかし、私の住まいと彼の住まいは車で片道1時間は離れていましたので、平日に行く訳にもいかず、お互いの休日を合わせて会ってみようと言う流れに。
初めての顔合わせは、それから更に1週間後の事でした。
『ドライブでもいいですか?』
予定していたレストランで軽く食事をすると、今日はドライブでもいいですか?と彼が言うのです。
映画館に向かう約束だったのですが、まぁ特に観たい映画も無いしと私もいいですよと返事してしまったんです。
本当に優しくて、話しを聞いてくれてる内に、すっかり彼を信じてしまったんですね。
そこからはなし崩しでした。
『ここ、僕の好きなスポットなんです』
着いたのは、空港の脇にある広場でした。
発着陸する航空機の騒音で、会話がよく聴こえなくて、私はつい彼に耳を寄せて話しを聞いてしまったんです。
ここは広くて人も来ない。
僕の好きなスポットなんですと彼は私の耳をそっと舐めました。
ビックリした私は、思わず彼から身体を離しましたが、狭い車内の事です。
そんなに距離はありません。
ロックの掛かった車内で、逃げ場はありませんでした。
そのまま、シートベルトで両手を縛ってシートの首を固定する部分に挟み込まれ、両手を万歳した格好になりました。
あまり身長が高くない私は、座席にすっぽり収まる形になりました。
あの時の彼の嬉しそうな顔は、今でもたまに夢に見ます。
『またね。』
抵抗すると身の危険を感じましたので、私は彼の気がすむのをじっと待ちました。
空には航空機の描く白い雲が見えていましたので、空を見上げながらじっと待ちました。
抵抗する素振りを見せなかったので、彼は私が合意の上で楽しんでいると了承したらしく、機嫌よく何度も気持ちいい?と聞いて来ました。
怖かったので、私も彼に合わせて気持ちいいと返事していた気がします。
日が落ちるまでそれは続いて、やっと解放された頃には星がみえていました。
元の待ち合わせ場所に私を送ると、帰り際に彼はまたねと微笑みながら手を振りました。
またね…と返事をしながら、私は彼の車が去るのを見届けた後、駅のトイレに駆け込み盛大に嘔吐していました。
恐怖と嫌悪と罪悪感の混じった不思議な感情で、身体がついて行かなかったのかもしれません。
『今度はいつ会える?』
帰宅してから暫くして、彼からライン通知が来ました。
ハートマークの沢山添付された画像と一緒に。
その画像には、私を組み敷いている彼の姿が映っていました。
恍惚とした表情の彼と、眼を見開いて呆然としている私の表情のアンバランスな感じが不思議と良く撮れていました。
信じられないかもしれませんが、私は彼と週に一回程度の頻度で現在も会っています。
こんな出会いもあっていいと思いますか?
正直、彼との関係は周りの誰にも話していません。
なんだかんだ言って気持ちいいんだろ?この淫乱な雌豚!