『ドアの隙間から見つけた快楽』
勢いよく玄関のドアを開け閉めする音で目を覚ました。
今日、私は体調不良で休むことになり、自室で布団に潜っていたらそんな音が家の中に響いてきた。
この家でこんなことをするのは癇癪を起こした姉ぐらいだろう。
不機嫌をことさらアピールしている姉の相手など面倒なだけなのでワザワザ声を掛けることなどしない。
しかし、布団と離れたくなかったが尿意には勝てずトイレに起きる。
用を足して部屋に戻ろうとしたのだが、姉の部屋から何やらうめき声のようなものが聞こえてくる。
もし、姉も体調不良で動けなくなっていたらと不安になりドアの隙間から少し覗いてみる。
「んあ、うん」
ドアを開けて聞こえてきたのは姉の聞いたこともない声が響く。
恐る恐る様子を窺うと姉は大きく脚を開いてベットに座りながらナニかをしていた。
姉は股間のワレメにピンク色で棒状の物を出し挿れを繰り返し、その度に吐息が漏れている。
行為に集中しているのか覗いている私に姉は気付いていないようだ。
段々と手の動きが激しくなっていく様子を観察しているとこちらも動悸が早くなっていくようだ。
そして、姉は一際大きく痙攣して快感からくる声を漏らした。
一瞬こちらと視線が合った気がするが姉はその行為を再開し始めた。
その動きと漏らす声が先ほどよりも大きく激しさを増している。
姉が一際激しく痙攣しながらワレメから液体を噴き出す光景を目の当たりにして、無意識に逃げ出し自室の布団に潜る。
心臓がまだ早鐘を打っている。
先ほどの光景が脳裏に焼き付いて離れない。
自分の下腹部に何かもじもじとした感じがする。
「すごい、気持ちよさそうな顔してた……」
先ほどの姉の顔を思い出しながら、ほとんど無意識に自分の股間に手を伸ばしていた。
「あぅ」
布団の中で身体を丸めて、姉が挿れていたように自分のワレメのナカを指一本で触ってみる。
ナカはぬるぬると濡れていて触る度に今まで感じたことがない初めての快感が迸った。
まるで自分の指が別の生き物のように秘所の穴を好き勝手に穿っていく。
指を動かす。
快感が走る。
身体が痙攣して声が漏れそうになるのを必死に押さえた。
どれ程の時間が経ったか意識できないほど夢中になっていたようだ。
「はぁ、はぁ」
気がつけば全身が汗びっしょりで呼吸も荒くなっている。
「ただいまー」
遠くから母の帰ってきた声が聞こえる。
近づく足音から一直線にこちらに向かって来ているのが分かり何故か内心慌てる。
「調子はどう?」
ノックなど気の利いた行動を挟まず無遠慮に扉を開け放って母親はズカズカと部屋の中に入ってきて私の顔を覗き込んでくる。
「って、顔、真っ赤だし、すごい汗かいてるじゃない、まだ具合悪い?」
焦燥感から母親に対し煩わしさを感じたことが心配そうにこちらを見つめる表情に罪悪感が沸き上がってきた。
「汗を拭くタオル持ってくるね」
「あ、ううん、シャワー浴びたい、着替えたいし」
準備に立とうとする母を呼び止め、布団から起きだす。
「身体を冷やすと悪いからお風呂の準備してからにしましょ」
そう言い残してお風呂場へと母が向かう。
「あれー? もうお湯入ってる。ああ、お姉ちゃんも帰ってきてたの」
どうやら姉もあの行為の後に入浴したかったようだ。
「まあ、丁度良かった。ちゃんと温まりなさいよ」
「うん」
促されるままに、お風呂場に向かいシャワーを浴びる。
暖かいお湯を全身に浴びていたら、いつもより丹念にワレメを洗っていた。
その後、しっかりと温まってお風呂から上がる。
母が用意してくれていたヨーグルトを台所で食べていると飲み物を取りに姉が来た。
「次はもっとすごいの見せたげる」
姉がこちらを新しいおもちゃでも見つけたような、あやしい笑みを浮かべて自室の戻って行き、これからのことに不安な予感が残る結果となった。