『16歳だった。』
俗に初体験については、「早い遅い」がまず話題になる。
わたしの場合のこの年齢は、一般的に早くも遅くもない、普通だなあと今は認識している。
今は認識していると書いたのは、当時、三十数年前の状況では人より早いと認識していたからだ。
昔だからと言うのもあるけど。
わたしの置かれていた環境から考えると、奇跡的に超早かったと思う。
産まれた家は凄い保守的で。
かつ、ミッション系の女子高に通っていた。
男女交際が禁止で若い実父と歩いていた後輩は勘違いされて職員室に呼ばれ一部始終を説明させられていた。
そんな、学校に在学していた。
『相手』
先生から「真面目さを絵に書いたような人」と、言われていた。
目立たないようにしていたからだ。
でも、しっかり男はいた。
これが、歳上のおじ様とかだったらもっとセンセーショナルだったのに!と、五十路の今は思う。
相手は中学の時の同級生の男の子。
人目に付かぬよう、私の親に見つからぬよう、共働き世帯の誰も居ない相手の家で逢瀬を重ねるうちに自然と身体の関係が出来ていた。
後々、この男の子は私の配偶者になるのだけど、只重ねるだけの子供の遊びの延長は性の悦びには程遠いものだった。
しかし、保守的な学校では男の子とのそう言う秘密を抱えてる女の子は一握りでほんの少しの罪悪感はあったけれどこころの奥の人には公言できない秘密は当時の私の優越感であった。
なんか今となるとそんな昔の自分が哀れかもしれない。
美人ではなかったし、地味な家に育ったから中学生の頃は男子に人気がある子ではなかった。
しかし、ませてる耳年増な友人から「したくなるオンナ」「色白で口唇が、真っ赤で、男の欲情をそそる」と言われ、彼女こそモテモテだったからびっくりしたという出来事があったりした。
『性癖からの願望』
後々の配偶者となった彼氏。
今は、別居している。
目立たないけど、実は、淫乱だと、わかっていたのだろうか?そんな、女の子をたぶらかして初体験する位だから当時から手が早い女好き浮気症だったんだな。
度重なる、浮気で嫌気がさして別れた。
私と言えば、男性経験はそのせいで別居するまで一人。
そして、旦那さんとのえっちで悦びを覚えたのは何回?って言うくらい少ない。
ところが私は、自慰する事で小さな頃から悦びはなんとなく知っていた。
知っているキッカケは、自分の性癖から来ている。
頭の中で自分について、外側から眺めた時、それにハッキリ気がついたのである。
歳は重ねてるけど気分は高校生くらいで。
だから、頭の中で違う初体験のシナリオを考えて、叶うはずはないけどその願望を楽しんでいる。