「違う自分になってちやほやされたい!」趣味と性癖が高じて
私は自他共に認める腐女子で、萌えキャラやBL(ボーイズラブ)漫画が大好き。
仕事はしがない事務系OLですが、休みの日は家でアニメを観たり漫画を読み漁ったりして、2次元の世界にどっぷり浸る日々を送っていました。
もちろん自分の趣味のことは周囲にひた隠しにして普通に働いたのですが…
ある時、「コスプレしたい」という気持ちが芽生えたんです。
最初は自分の部屋で衣装を着るだけで満足だったのですが、徐々に「誰かに見てもらいたい」という気持ちが湧きました。
鏡に映るいつもとは違うもう一人の自分。
そこには微かな恍惚と性的な興奮も付いてきたんです。
「コスプレイヤーの撮影会」という選択肢もあるにはあったのですが、もっとドキドキするシチュエーションを求めて選んだのが「コスプレデリヘル」でした。
緊張感マックスの面接を経ていよいよ風俗業界へ
勢いでコスプレデリヘルの求人に応募した私ですが、内心口から心臓が飛び出るくらいドキドキしていました。
友だちや親には言えない秘密を作ってしまったという背徳感や罪悪感もあり、やっぱり応募を取り消そうかな…とも思ったくらいです。
そんな中、割と早く返事が来ました。
「あの、やっぱりちょっと、自信がないというか、度胸がないというか…」言い澱む私。
電話の向こうでは、ハキハキとした若い男性らしき声が「面接だけでも大丈夫ですよ〜」と答えました。
あまりにも物腰が柔らかだったので、とりあえず面接だけ受けることに。
面接当日は、ファミレスで待ち合わせをしました。
「あんまり緊張しなくて良いよ!」とスッキリしたスーツ姿の男性がエスコートしてくれました。
「可愛いし、大丈夫!」と言われ、ちょっとその気になってしまった私です。
背が低く童顔なのは武器になるとのことで、終始見た目を褒められる展開になりました。
「怖い人が来るのかな?」「エッチなことを言われるのかな?」という心配はすっ飛びました。
「じゃあ、頑張ってやってみます」。
気づいたら本契約を結んでいました。
アニメやゲームのキャラクターのコスチュームに身を包んで変身
最初のうちは、とにかくコスプレをするのが楽しくて楽しくてたまらなかったです。
私が働いていた店はアニメ・ゲームコスの店だったので、事務所にずらっと並んだ数々の衣装に目が輝きました。
もちろんお客さんもアニメやゲーム好きの方がほとんどなので、プレイの他に趣味の話も弾んだりして、まさに天職と言った感じでした。
プレイ中キャラクターの名前で呼ばれたりするのにも興奮を覚えました。
「今まで絶対になれなかったなりたい自分になれてる!」という自信も湧いてきたんです。
実はプライベートでは一度も男性と付き合ったことがない筋金入りの腐女子だった私。
セックスやエッチなことに関する知識は全てアニメや漫画から得ていました。
もちろん経験値がないのでお客さんに「?」という表情をされてしまったこともあるのですが(苦い思い出です)、「あまり慣れてない感じが良い」と言ってくれる優しい方が多かったです。
そんな状況も助けて、私は風俗の仕事にどんどんハマっていきました。
お客さんからいただいた数々の品物にビックリ
仕事に慣れてきた頃、何人かリピーターになってくれるお客さんが出てきました。
人となりやプレイの好みをある程度知っているので、スムーズに接客ができる上に指名料が稼げるので本当にありがたい限りです。
中には週2回も指名してくれるお客さんもいました。
当然のごとく、お客さんとの距離もどんどん縮まっていきます。
お店の約束上、物はもらえないし連絡先も交換できないし業務外で会うのも禁止…なのですが、熱心にアプローチしてくる常連さんの勢いに押されて、ついにいただきものをしてしまいました。
それは、見るからに高価そうな宝石の付いた指輪でした。
その方はそれから指名する度にプレゼントをくれました。
しかも、お店にバレないくらいの小さいもの…アクセサリーや時計、ブローチ、などなど。
仕事を終えて家に帰ってから値段を調べてみると、ビックリ!風俗で稼いだ給料でも簡単には手を出せないような品々でした。
そしてとうとう押しに押され、連絡先を交換することに。
いつも通りのペースの指名の他に、業務外でのデートを重ねるようになりました。
デートの際も、スイーツや化粧品や家電など様々なプレゼントをいただきました。
極めつけは、なんと、ハイスペックなパソコン!これにはさすがにちょっと引いてしまいました。
「結婚して子供を産みたい」という憧れを抱いて
順風満帆な私の風俗生活でしたが、20代半ばを過ぎようとした頃、転機が訪れます。
例のお客さんから「結婚を前提に付き合って欲しい」と告白されたんです。
正直、とても動揺しました。
私にとってその方は「仲の良いお客さん」以上のものではなかったんです。
でもその告白をきっかけに「将来どうしよう」という一抹の不安が頭をよぎりました。
結果、その方の申し入れを丁寧にお断りするとともに、風俗を辞める決意をしました。
「これからは普通の女の子として生きて、結婚して子供を産むんだ」と心に決め、引っ越しをして事務系の別の会社に転職。
婚活パーティに足繁く通う今に至ります。