私は中学からずっと女子校だったせいで、男性とのお付き合いはしたことがありませんでした。
だから、恥ずかしいけど23歳を過ぎても処女のまま。
初めての彼とのセックスでは演技が必要だったのです。
・社内のパーティーでは会話をすることができる
彼とは社内でのクリスマスパーティーで知り合いました。
うちの会社では各課関係なく集まるパーティーがありました。
クリスマス、忘年会、新年会、夏祭り、まるで大学のサークルのように各課総出で数日かけて準備をして、大食堂で立食パーティーをするのです。
夏祭りは、地元の住人の方々を招いて広い敷地内で屋台をして盆踊りのようなこともしました。
私はそのパーティーが大好きでした。
パーティーもそうですが、入社時から好きだった営業課の彼と社内で堂々と会えるからです。
入社して間もない頃、エレベーターで偶然乗り合わせた彼と私。
お互い一目惚れでした。
それからは外で会っていましたが、社内では噂になりたくないとお互い知らんフリ。
とても寂しかったです。
でもパーティーの日はべったりはできないけれど、お話することができます。
お互いに顔を合わせて、みんなの前で話ができる。
自己満足ですが、その時間だけ、みんな公認の仲のように思えてとても嬉しい時間でした。
・パーティーから抜け出してプロ―ポーズ
その日は彼と出会ったからちょうど1年後のクリスマスパーティーでした。
その日は彼はいつもと違っていました。
いつもは社内では適度な距離をたもって当たり障りのない話ばかりなのに、その日は積極的に私に近寄って恋人のように接してきました。
そして、気のせいか、周りの人達も私達を遠巻きにしているようでした。
そして、パーティーが始まって1時間くらい経った頃、彼が耳元で「これから二人だけで飲みに行こうか」って誘ってくれたのです。
パーティーですでにお酒が入っていたので、二人でタクシーに乗って会社から少し離れたホテルのバーに行きました。
いつもとは違う彼の艶っぽい目に私はドキドキしていました。
囁かれるのは愛の言葉ばかり。
やがて、彼は私に小さな箱を渡しました。
見ると指輪が入っていました。
「結婚してください」
照れているのか、彼は冗談ぽい口調で、でもとても真剣な目で私にプロポーズしてくれました。
私はしばらく顔を赤くしてぼんやりしていました。
なんていうか、現実感がなかったからです。
でも、手の中には確かに指輪があります。
現実感と夢のような感覚の間で、私の心はふわふわと揺れていました。
「返事、聞かせてもらっていい?」
彼に言われてハッと我に返りました。
(そうだ、返事しないと・・・)
そう思いましたが、どう返事をしてよいのかわかりませんでした。
だから、ただ頷くしかできませんでした。
それでも彼は嬉しそうでした。
カクテルを3杯くらい一気に飲み干して、それから私の手を引いて立ち上がりました。
「今日は朝まで一緒にいたいんだけど」
私はまた頷くしかありませんでした。
・彼との初エッチ
彼は私の手を引いて店を出ると、予約していた部屋に連れて行ってくれました。
中はとても豪華な部屋。
あまりに広くきれいな内装の室内に驚いてしまいました。
私のために用意してくれた部屋なんだと思うと嬉しくて心がじんわり温かくなりました。
でも・・・私はまた我に返りました。私は恥ずかしながらまだ処女だったのです。
10代の間に経験済みの女の子が多いこの時代で処女なんて、彼をガッカリさせてしまうのではいかと思いました。
なんとかしないと・・・私の胸は動揺してドキドキしてしまいました。
とりあえず考えないと。
私はなんとか笑顔を作って、「先に体をきれいにしたいからお風呂に入らせてね」と言って、バスルームに向かいました。
お風呂はジャグジーでした。
お湯を入れながら、私は焦る気持ちで考えていました。
(どうしよう、今日は断ろうかな)
でも、こんな豪華な部屋を用意してもらってそれはできません。
それなら、なんとか処女でないことをバレないようにしないと。
そう決心しました。
しばらくすると、彼もバスルームに入ってきました。
もちろん裸です。
彼はお湯の中で私を抱きしめてキスをしてくれました。
本当なら嬉しくて我を忘れてしまうくらいの至福の時なのに、私は別の意味で胸が破裂しそうでした。
これから始まるセックスで、痛がってはいけない、気持ちよさそうにしないといけない、慣れてるように演じなければいけない。
私は彼に抱き上げられて連れて行かれたベッドで、彼の行為についていこうと必死でした。
彼はとても丁寧に前戯をしてくれました。
体中を隅々まで愛撫してくれて、とっても気持ちがいいのです。
でも、彼が私の中に入って来る時を考えると気持ちが怖さでいっぱいになりました。
ちゃんと入ってくれるかな、痛くないかな、そればかり考えていました。
でも、彼の愛撫がとても丁寧で優しかったおかげで、私のアソコは十分なくらい潤って、彼のモノをすんなり受け入れることができました。
気持ちよさはないけど、痛みもあまりありませんでした。
だから、私は彼の背中に腕を回して、「気持ちいい?」って聞いてくる彼の言葉に「うん、気持ちいい」って答える余裕はありました。
無事に乗り越えることができた初エッチ。
結婚した今ではよい思い出として心の中に残っています。