・彼からの告白
私は、彼がずっと何もしてくれない事にイライラしていました。
交際してから、半年以上もたつのに、手も握ってくれないんです。
腕は組んでも良いのですが、なぜか手を繋ごうとすると嫌がられてしまうのです。
そして、キスも、それ以上の事も何もしてくれませんでした。
もしかして、私の事がそんなに好きじゃないのかな?
と思い、何度かそれとなく確かめてみたのです。
その度に「そんな事ないよ。君の事は大好きだよ」と、言ってくれるんです。
言ってくれるんですが、やはり何もしてくれない。
もう、別れようかな。
そう思った時に、彼の方から意外な告白をされました。
彼は、極度の潔癖性だったのです。
人の体温を感じるのが、あまり好きではないそうです。
キスやそれ以上の事をしたいと思いながらも、なかなか出来ないらしくて、彼が言うには、直接肌に触れないようなセックスをしたいとの事でした。
肌に触れないで、セックスが出来るのだろうかと、ちょっと不思議に思いました。
ですが、彼は彼なりに私の事をちゃんと恋人として愛したいとの事。
私は、彼の気持ちを嬉しく感じたので応える事にしたのです。
それに、私も彼とちゃんと恋人同士になりたいと思ったんです。
・準備万端?
そして、気になるのがやはり肌に触れないセックスです。
どうしたら、そんな事が出来るのかと不思議に思いました。
彼は、全て自分が準備するから心配ないと言ってくれました。
そして、彼から初めて家に来ないかと誘われ、やっとこの日が来たんだと、私は少し緊張しました。
そして、彼の家に到着すると、フカフカのスリッパが置かれていました。
何だか、高級ホテルに来たみたいだと喜んでいたら、カーペットの上を直で歩いて欲しくないと言われて、ちょっと戸惑いました。
潔癖性とは聞いていましたが、そこまでとは思っていなかったのです。
そして、あまりにも殺風景な彼の部屋に、ちょっと戸惑いました。
家具はあるんですが、まるでモデルルームのような印象の部屋でした。
しばらくはソファで話していたんです。
今まで、彼は自分が潔癖性である事を隠していたらしいんです。
潔癖性である事を伝えて、何度もフラれた経験があるらしく、彼にとっても辛かったみたいなんです。
そして、ベットルームに案内されると、ベットには驚く事にビニールシートが敷かれていました。
それだけでも、十分戸惑う私の前で、彼が革の手袋をはめ始めたんです。
そして、私には自分で服を脱いで、ベットに寝ていてと言うのです。
まさか、こんな展開になるとは思っていなかったのですが、私は、彼に従う事にしました。
嫌だなんて言って、嫌われたくはなかったからです。
彼は服を着たままなのに、自分だけ裸になるのが、こんなに恥ずかしい事とは思いませんでした。
それに、裸でビニールの上に寝るなんて体験は初めてで、何だか変な気持ちになりました。
やがて、彼が近づいてきて、唇にサランラップが押し当てられました。
・初めての経験
彼との初めてのキスは、サランラップ越しでした。
体温も何もなく、感触も不思議な感じでした。
それに、革の手袋をはいた彼の手が私の体に触れる度に、不思議な感覚でした。
体温が全く感じられない指に、胸を揉まれ、乳首をいじられても、私の体は何も反応しませんでした。
当然といえば、当然なんですが、やはり体温を感じられないのは、私にとっては気持ちが良いとは思えませんでした。
それよりも、彼が服を着たままなのがとても気になって、行為に集中出来なかったという事もありました。
ですが、彼はかなり興奮してくれたみたいで、彼が高まった声をあげるのを聞いているうちに、私の体も徐々に興奮してきました。
・精神的な快楽
挿入する時も、彼はもちろん服は脱ぎませんでした。
彼の体に腕を回しても、衣服の感触がするだけで、寂しくも感じました。
ですが、耳元で何度も綺麗だと囁かれ、体の隅々を観察するように見つめられ、私は、肉体的というよりも、精神的な快楽を得たような気持ちでした。
精神的な快楽は、もしかしたら肉体的な快楽よりも勝るような、そんな気持ちでした。
いつしか、革の手袋をした彼の指が敏感な部分に触れただけで、私は反応していたのです。
・まるでバーチャル体験
行為が終わった後、彼が私に感想を求めました。
私が気持ち良かったと答えると、彼にはそれがたまらなく嬉しかったみたいで、毎日のように家に呼ばれました。
彼との性行為は、まるでバーチャルセックスをしているかのような気持ちでした。
目の前に彼はいるんですが、体温を感じないセックスというのは、かなり特殊な体験でした。
本音を言えば、やはり素肌の彼と抱き合い、感じたかったです。
でも、潔癖性の彼に、その事をどう伝えたら良いのか、かなり悩みました。
彼からされる行為は、決して不快なものではありませんでしたが、行為が終わった後に、僅かな寂しさを感じるんです。
でも、彼が気持ち良さそうにしてくれるので、私は満足です。