1、出会い系サイトの世界
単刀直入ではありますが、私はゲイです。
今でこそメディアで明るく放送されていますが、今も昔も本質の部分はアンダーグラウンドです。
過半数の人がゲイである事を隠して生きています。
でも出会いはゲイにも必要です。
それに主に活用されるのがサイトなんです。
今はGPSを使ったようなアプリもあるようですが、登録制で誰でも見れてしまう利点からか、写真などを何も使わないサイトは今でも需要が多いように思います。
メールやアプリの世界はいい意味でも悪い意味でも相手の事がわかりません。
割り切って使う分には大変重宝するツールだと私は考えています。
これは私は20歳くらいの頃に体験した、相手の事を知らな過ぎて困ってしまったゲイサイトを通じた出会い体験談です。
2、初体験
サイトでメールをくれたのは30代中盤の方でした。
実際会ってみると身長も低く、体型も細くて、全体的に頼りない印象を受けました。
メールでは普通に会話で来たんですが、いざ会ってみると緊張してしまっていて、全然話してくれません。
まずは気持ちをリラックスさせようと思い、お茶する事にしました。
そこで少しづつ彼が話し始めました。
実は彼はゲイの人に会うのが初めてなんだそうで、会ってはみたもののどうしていいかわからないんだそうです。
私は既に何十人とも会った経験があったので、普段はしませんが、会話も行動も私がリードすることにしました。
最初は他愛もない会話から初めて、どんどんエッチな方向に持って行ったんです。
「どんなことしてみたい?」
と聞いたら顔を真っ赤にして、抱き合ってみたいというもんだから、私は近くのラブホテルに誘いました。
ホテルについて、事はしましたが、彼にとっては初体験だったので、そこまで激しい事はしませんでした。
まぁ、キスしたり、乳首触ったり、お口をを使ったりと・・・いわば本番の入り口位の事しかしなかったんです。
第一印象でタイプではなかったので、この時点で私はもう会う気はありませんでした。
3、鬼メール
翌日からでした。彼からの鬼メールが始まったんです。
当時私は既に社会人だったんですが、休憩時間にメールを見ると、何通もメールが入っていたんです。
「今度いつ会えるかな?」
「忙しいのかな?返事待っています」
などなど。
最初のうちは丁寧に対応していたものの、次第にメールの量はエスカレートしていき、自然と私も返信するのが億劫になり、何度か無視をし始めたんです。
すると今度は内容そのものがエスカレートしていき、一度しか会っておらず、しかも大したこともしていないのに、私の事が好きだと言い始めたんです。
メールで丁重にお断りしても、中々伝わらず、一度でいいから会いたい、と相手も中々引き下がりませんでした。
本当に嫌でしたが、これは一度話す必要があると感じ、仕方なく会う機会をセッティングしたんです。
4、彼の豹変
数日後、初めて会ったとき時にお茶をした喫茶店で彼を待っていました。
これから話されるであろう内容を考えたら、とてもコーヒーが不味く感じました。
15分程待って彼は現れました。
その時の彼は初めて会った時とは全く印象が違っており、緊張しておらず、悪い言い方をすれば凄く馴れ馴れしかったんです。
友達、というより彼氏に話すような話し方をしてきました。
元々年上なので多少偉そうなのは致し方ないとは思っていますが、余りの砕け方に若干腹が立ちました。
恐らく何度かメールを続けたことにより、彼の中に勝手に余裕が出来たのでしょう。
そしてその日は彼がホテルに誘ってきました。
私は喫茶店で話を済ませようとしたんですが、どうしても二人きりで話したいことがあるとしつこくせがむので、渋々ホテルに向かいました。
着くといきなり彼は私の唇を奪いに来て、一気に会話が出来ない状態になりました。
そしてその日は、結局本番セックスをしてしまい、しっかり彼に抱かれてしまいました。
自分自身情けなかったですが、若気の至りだったんだと思います。
シャワーを浴び、衣服を整え、改まって彼と話をする事にしました。
5、重すぎる
話しから私から始めました。
体の関係が付き合うっていう事ではないこと、そして私には彼と付き合う気がないこと、そして今後会う気も無いことを丸で鬼かのように、私の心の現実を彼に叩きつけました。
しかし、その後の彼の言葉で私は絶句してしまったんです。
「俺、実は婚約してるんだよね・・・」
え?そうなの?ゲイじゃないの?戸惑いましたが、とりあえずおめでとうと伝え、じゃあなおさら会えないことを伝えたんですが、状況は更に悪くなりました。
彼、婚約破棄してきたそうなんです。
よくよく聞くと、元々男性の世界に興味はあったが、婚約を気にどうしても確かめたくなったんだそうです。
そして私と会い、好意を抱いてしまい、婚約破棄までして、その日私に告白する準備をしてきたんだそうです。
それでも私ははっきり言いました、付き合えません、と・・・
そこまで私を想ってくれたことには純粋に感謝しますが、ちょっと重すぎます。
ゲイの世界はたまに結婚という言葉にぶつかりますが、言わないか、言うなら最初の段階で言って欲しいものです。