私の初体験は、中学2年生の冬頃でした。
通っていたのが田舎の中学校だったため、特に遊ぶところもなく、当時の私は特に趣味もなし。
友人と話す話題といえばとにかく「好きな人のこと」「彼氏のこと」でした。
中学生になると、それまで知らなかった単語がたくさん飛び交うように。
体の関係についても話題が上がるようになり、まったく無知だった私は恥ずかしい思いをした記憶があります。
ですが、やはり好奇心だけは一人前。
不思議なことに、初体験を早く済ませた友人が急に大人びて見えるんですよね。
何事も負けず嫌いだった私は、怖い反面やはり興味津々。
恥ずかしいですが、当時流行っていたエッチな漫画を友人に借りたり、雑誌で用語をお勉強したり…。
どこか急いで済ませたい気持ちに駆られていたように思います。
そしてきっかけが訪れたのは中学2年生の夏。
どちらかというと男女分け隔てなく仲の良かった私。
付き合っているカップルのそれぞれから電話がかかってきて、喧嘩の仲裁役をしていました。
最初は中学生らしいヤキモチや、今思うとなんてこともない話をただ聞いていたのですが、そのうち二人のエッチについての話が出てくるように。
誰かと付き合ったこともなければ、エッチの経験もなかった私は何も言い返せず、じっと頷くのみでしたが、所詮たわいもない喧嘩。
結果二人はいつものように仲の良いカップルに戻りました。
そして、そのカップルに誘われた夏祭りでついに私にも初めての彼氏ができることに。
夏祭りということで、タンクトップにデニムのショートパンツ、子供ながらに化粧を施して行ったのですが、友達の友達という、いろんな中学校の同級生が会した場所で、初めての彼に会う事に。
健康的で、ムードメーカーで、すごくタイプの少年でした。
普段は野球をしていたため、日に焼けた肌とガタイのいい身体。
物腰も柔らかく、皆の人気者だったため、私も好印象を抱いていたように思います。
その日は少し会話をするだけだったのですが、後日友人を介して改めて会うことに。
待ち合わせした公園で人生初めての告白をされ、晴れて付き合う事になりました。
彼はどちらかというと、ちょっぴりヤンキーチックで。
会話の中で「エッチの経験がある」と聞かされました。
最初は驚きましたが、無知な私にとってはそのほうが手っ取り早いと思ったのも事実。
ですがこちらの心の準備が出来るまではと、手を出さず待ってくれ、半年ほどプラトニックな関係が続きました。
ちなみに、その半年の間は、周りのみんなにとにかく急かされることに。
「キスぐらいしてあげなよ」「怖くないから早く済ませちゃいなよ」と何度も言われた記憶があります。
大人になった今考えれば、無責任極まりない助言なのですが、私も知らず知らずのうちに焦りはじめるように。
その年の冬、彼と初めての体の関係を持ちました。
初体験の場所は、彼の部屋。
彼の両親は共働きで日中家を空けていたので、好条件だと思ったのでしょう。
お互いの学校が午前中で終わった日、いつものように待ち合わせをして彼の家に行きました。
数日前から電話で「そろそろいいよ」と伝えていた私。
彼も確実にやる気満々。
お互いに緊張しているのですが、それを悟られないように関係のない話を続けていました。
そうこうしているうちに、彼の身体が近づいてくるように。
下着の上から初めて愛撫を受けました。
気持ちはいいのですがどう反応していいのかが分からず、じっと黙る私。
目を瞑って、全く動かないマグロ状態でした。
ここからは笑えますが、そんな私の反応を見て戸惑う彼。
うまく勃起しない彼は、「ちょっとまって」と告げ、本棚の後ろの方に隠してあるエッチな本を見て自分で勃たせていました。
大人になるとその失礼さにも気づけるのでしょうが、とにかく当時の私は何が正しいのか分からない状態。
エッチとはこういうものなんだと理解していました。
そしていざ挿入。
覚えているのは、とにかく、ビックリするほどの痛み。
皆から最初は痛いよと聞いていましたが、人生で初めて経験する種類の痛みに悶絶でした。
よく「初体験は鼻から人参、出産は鼻からスイカを出すような痛み」と言いますが、まさにそんな痛みです。
結局その日は私があまりに痛がるため彼も観念することに。
私個人としては、彼に期待させただけの自分に少しショックを受けていたのですが、後日友人から「本当に初体験だったんだと分かって安心したって言ってたよー!」と伝えられました。
やはり子供ながらに、好きな女性の初体験を奪うことには美学を感じているんですね。
結果、最後までちゃんとエッチできるまでにそれから数回のチャレンジが必要でした。
初体験からその後も1年半ほど付き合いは続きましたが、やはり私の身体も若すぎたのでしょう。
挿入時の快感はほとんどなく、男性に対するサービスだと思っていました。
快感を得るにも自分の訓練が必要。
そんなことが分かるようになるのは、それから何年か経った頃です。