その頃のわたし
彼と出会った当時、私は二十代後半でした。
でもまだ未経験でした。
四年制大学を卒業後、金属加工メーカーでOLをしていました。
入社して月日も経ち、仕事にも慣れて退屈な時間を持て余していました。
わたしのプロフィール
私の身長はおよそ158センチです。
体型は自分ではよくわからないのですが、特に太っているわけでも痩せているわけでもなく、普通だと思っています。
風呂場の手前のスペースに体重計も買って置いてありますが、気にならないのでほとんど乗ったことがないです。
気が向いて何度か乗ってみましたが、その前に乗ったときよりさほど上下していなかったです。
体重については暴飲暴食が続かない限り、こんなものだろうと思っています。
バストは人目を引くほどの巨乳ではなく、乳房があることがわかる程度の、つつましやかな膨らみです。
ただ、子どもの頃から肩幅が狭くて、自分でも嫌になるほどのなで肩なのがコンプレックスでした。
肩にかけたショルダーバッグの紐がすぐに滑り落ちるので、しょっちゅう紐を上げないといけないのです。
このことがストレスにならないようにと紐の幅が広いものにしても、少し重いものになると肩から離れて落ちてしまうので、落とさないように鞄の底に手を当てて持ち歩いていることが多いです。
有名人で強いてあげれば、どうも女芸人の大久保さんに似ているようです。
でも、今のところ知り合いの誰からも指摘されたことはないので、まだ安心しています。
たぶん、あんなに二の腕は太くないのですし体の厚みもありませんので、顔だけでは結びつかないのでしょう。
彼のプロフィール
初えっちの相手をしてくれた彼とは会社で知り合いました。
彼の身長は、およそ168センチくらいでした。
体型は中肉中背です。
特に高くもなく低くもなく、パッと見てこれといった特徴がないのが特徴です。
どこにでもいるようなスタイルの外見でした。
でも肩幅は私よりもあります。
誰か顔かたちの似ている人を考えても、あの当時はまったく思い浮かばなかったのですが、今なら芸能人でひとりだけいます。
あえて名前を挙げると大泉洋さんです。
話してみてわかったことですが、老けて見られることがコンプレックスだったようです。
社会人になる前には、若々しく見られたいという思いから髪形を変えてみたり派手なファッションにしてみたりしたことがあったようですが、どれも自分には似合わないと感じて、すぐに元に戻してしまったそうです。
この話を聞いて「己を知る」って大事だなと思いました。
親しくなったきっかけ
出会って最初は、どこにでもいる普通の人という印象でした。
会社勤めの常として出社や退社の際に会えば挨拶をするくらいでした。
特にこれといった接点となる話題もなかったです。
当時はまだ携帯電話が普及し始めていた頃でした。
新しい物が好きなので買ってみましたが、迷惑メールが次から次へとひっきりなしに到着していました。
どんどん溜まっていくので、削除に追われてうんざりしていました。
あるとき、ふと何気なくこのことを話してみました。
すると、迷惑メールを受け付けないようにブロックする機能があるということを教えてくれました。
機械に弱いので操作がわからないので戸惑っていると、受け取って設定してくれました。
そのことがきっかけになって、以前よりも少し話すようになりました。
人と話すことは得意ではなかったので友だちも少ないのですが、彼とはスムーズに気兼ねなく話すことができました。
私には兄弟がいなくてひとりっ子なので、兄がいたらこんな感じなのかな、と思ったりすることもありました。
初めのうちは特別な気持ちや恋愛感情はなく、職場の親しい人といった感じでした。
えっちをするまでの間
この頃には友人たちの何人かがそれぞれにいい人を見つけて、立て続けに結婚していました。
それまでは結婚について気にすることはあっても、さほど焦りは感じていなかったのです。
ですが、そうした環境になってくると、自分が本当に結婚したいのかどうかということは後回しになって、だんだんと自分は結婚できないのかなとか、結婚しなきゃとか、そういう気持ちになってきていたのです。
そうなると肝心のお相手として相応しいのは誰なのか考えるようになりました。
当時は三高と言われる高身長、高収入、高学歴が女性にモテる基準としてもてはやされていましたが、回りには元からそれらの条件に当てはまる人はいなかったので、参考にはなりませんでした。
女性の中には、好きなタイプはイケメンで綺麗な顔を重視する人もいしたが、私はそこにはあまりこだわりはなかったです。
自分が知っている独身男性の中で、はたして誰がいいのかと考えました。
ひとりひとりについて、それ以外の健康面や経済力や人格面や家庭環境など、気になる部分をチェックしてみました。
ですが、こっちが良くてもこっちが悪いというような、例えて言えば、「帯に短し、たすきに流し」で、どうもバランスの悪い人が多かったです。
そんな日々が続き、探すのに疲れました。つい何の気なしに、その人に相談してみたら、「それなら俺とつきあってみるか」と軽い口調で茶化されて、その場では笑い話になってしまったのですが、あとでよくよく考えてみると、それももしかするとありかな、と思えました。
そこで、もしよかったらと誘ってみると、軽くオーケーが出て付き合い始めました。
デートの三回目でラブホテルに行ってみたのですが、この年まで処女というのは申し訳ないかなと思いつつ、実際にしてみると強烈に痛かったです。
彼は喜んでいたので、こういうものかなとちょっと複雑でした。