・イベント会社にコンパニオンとして派遣されました。
大学二年の夏、イベント会社の仕事を紹介され短期間、そこの会社で仕事をしていました。
その会社には私好みのある男性がいました。
年齢は、推定28歳前後、おそらく単身者です。
恋愛対象として何の問題もありません。
私は、この年で未だに男性経験がありません。
私の大学の友人は高校卒業までに男性経験を済ませたという人と高校を卒業をした春休みにという人が殆どでそれを聞いた私は少々焦りを感じていました。
・実は、「問題有り」の男性でした。
私は、その「私好みの男性」に近づくための対策を考えました。
近づくためには相手の情報も必要です。
会社の給湯室は情報を得る格好の場です。
上司の方のお茶汲みを進んで行い、予定外に可愛がられ得なこともありました。
そこで得た男性の情報では、年齢28歳、正解でした。
離婚調停中の奥さんがいるということでした。
離婚調停をしている原因は分かりませんが、どこか冷めた感じがするのはそれが原因だったのでしょう。
この男性が奥さんのことを今どう思っているのか分かりません。
「別れたくない」と思っていればアタックしても想いは届かないでしょうが、私は自分の気持ちを抑えられなくなっていました。
・アタック開始です。
男性が席をたちました。
私も給湯室に行く振りをして席を立ちました。
会社はその月、新企画を他社に紹介をするプレゼンをしていました。
私たちはその接客をしていたのです。
男性は自動販売機の前で缶コーヒーを飲んでいました。
私は、「コーヒーくらい入れたのに」といいました。
「会社の人間にコーヒーを入れるのが仕事じゃないでしょ。」と笑いながら「ありがとう」も添えていってもらえ私は幸せな気持ちになっていました。
私は、男性に「彼女とか奥さんとかいないんですか?」と離婚調停のことは知らないことにして聞いてみました。
「ううん、そうだね、いるような、いないようなどっちだろうね」と答えが返ってきました。
男性は真意はいいませんが、「嘘はいわない誠実な人」という印象を私はこのとき持ちました。
「だったら、私がアタックしてもいいですか?」と男性に聞いてみました。
「嬉しいね、ホント?」と全く相手にされていません。
「あんまり、サボってると上司に叱られるから戻ろう」と男性がいいました。
男性と私はたわいもない話をしながら席に戻りました。
・会社での派遣の仕事も終わりました。
私たちが会社に来るのも後僅かになりました。
私は男性と話せるようにはなっていましたが何の進展もなく時は過ぎてしまいました。
アタックもできずに失恋です。
9月になり会社での仕事も終わり私たちは大学の生活に戻りました。
バイトも夕方からのファミレスです。
その日も夕方からファミレスでバイトがありました。
角の席に見覚えのある男性が一人で座っていました。あの男性でした。
私は、嬉しくなって声を掛けました。
男性も「偶然だね」と笑顔を見せてくれました。
「よく来るんですか?」「来るよ、何でもあるからね」といっていました。
私はファミレスでのバイトを毎日にし男性に会えるのを楽しみにしていました。
しかし、男性はファミレスにはきません。
避けられてるのかな・・と思いました。
数日後の夜、男性がファミレスにきました。
私は「今晩は、お決まりですか?」と男性の席に注文を受けにいきました。
男性は、ニッコリ笑って「これと、これをお願いします。」と指を指しました。
私は「少々お待ち下さい。」と笑顔で注文を取り戻りました。
注文の品を男性の席に運びました。
男性は「バイトは何時に終わるの?」と私に聞きました。
・実は、離婚調停中・・
男性はバイトが終わるのを待っていてくれました。
「実は、離婚調停中の妻がいる、それでも付き合って貰えますか?」男性が私にそういいました。
私は「はい」とすぐに答えました。
驚かない私を見て男性が「知ってた?」と聞きました。
男性は女性達の耳とうわさ話は怖いと笑っていました。
そして悩んでいたことも話してくれました。
大学生の私としかも自分は離婚調停中、付き合いを申し込んでいいはずがないと思っていたそうです。
このお付き合いが離婚調停の邪魔をしないか心配になりました。
しかし、私は、真剣に男性とお付き合いがしたかったのです。
私はアタックもできずに失恋をしたと思っていたのです。
私は男性を受け入れました。
お付き合いが始まりましたが、男性とはお茶を飲んだり食事をしたり普通のデートをするだけでした。
私は、男性のマンションに突然行ってみることにしました。
叱られるかも知れません。
チャイムを押すと男性がドアを開けてくれました。
ビックリする様子もなく私を部屋に入れてくれました。
男性は離婚調停中の奥さんのこと今の自分のこと色々なことを話して聞かせてくれました。
私は男性の全てを受け入れられるか分かりませんが、その日私は初めて男性に抱かれました。
私にとって初めての男性です。
男性は私をベッドに寝かせ「大切にする」といってくれました。